続いて

録画していた『ハロウィン(2018)』(2018年/監督:デヴィッド・ゴードン・グリーン)を観る。1978年のジョン・カーペンター監督による『ハロウィン』の40年後を描いた続編です。

40年前のハロウィンの日の連続殺人犯ブギーマンことマイケル・マイヤーズが、ハロウィンの前日、精神病院からの移送中に脱走します。40年前の生き残りローリー(ジェイミー・リー・カーティス)は、再びブギーマンが襲ってくることを予感。迂遠となっていた娘カレン(ジュディ・グリア)と孫アリソン(アンディ・マティチャック)を守るために戦う準備をします。ハロウィンの日、再びブギーマンが現れ……

マイケルが殺人鬼になった真相を追うジャーナリストなんて不要な存在。ハロウィンの悪霊ブギーマン(ハロウィンの夜に子供をさらっていくブギーマンと呼ばれる妖怪が現れるという伝説がある)と融合した悪鬼なので殺人に理由なんてないんです。ただ、自分と同じ血をひく者(ローリーはマイケルの妹)の抹殺が本能としてあるらしく、ローリーに到達するまでに出会った人物を意味なく殺していくんですな。懐かしさはあっても、演出的に目新しいところはなく、今の視点で見ると平凡なホラーで~す。

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復活ホラー

録画していた『ペット・セメタリー(2019)』(2019年/監督:ケヴィン・コルシェ&デニス・ウィドマイヤー)を観る。1989年に映画化されたスティーヴン・キングの小説を再映画化。

医師のルイス(ジェイソン・クラーク)は、家族とボストンから田舎町に引っ越してきます。家の裏に広がる森の中で、飼っていた動物を埋葬するペット・セメタリーを発見。隣家の老人ジャド(ジョン・リスゴー)からペット・セメタリーの奥には行かないように警告されます。ある日、娘のエリー(ジェテ・ローレンス)が可愛がっていた猫が車に轢かれて死に、ルイスはジャドに連れられて森の奥に埋葬。次の日、猫は腐臭を漂わせて凶暴な性格になって戻ってきます。そんな中、今度はエリーが事故にあって死に……

原作もオリジナルも未見だったので、楽しめました。かつて死体を生き返らせて後悔しているジャドが、猫くらいならいいだろうと、もう一度生き返らせたい欲求に勝てず、ルイスを連れて行ったのが諸悪の根源。ルイスに警告する幽霊が出てきますが、いてもいなくてもいいような存在。必要キャラとは思えませんな。原作がキングなので、物語はそれなりに面白いで~す。

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続いて

録画していた『ヘレディタリー/継承』(2018年/監督:アリ・アスター)を観る。老母が死んで、娘の周囲で不可解なことが起こるオカルトホラーです。

老母が亡くなり、娘のアニー(トニ・コレット)は夫のスティーブ(ガブリエル・バーン)に支えられ、無事に葬儀を終えます。夫婦には高校生のピーター(アレックス・ウォルフ)と13歳の娘チャーリー(ミリー・シャピロ)がいますが、次第にチャーリーに異常行動発生。ピーターがチャーリーを連れてパーティーに行った帰り、交通事故を起こしてチャーリーが死にます。ピーターは精神に異常をきたし……

ヘレディタリーとは、“遺伝的な”とか“先祖代々の”とかを意味するとのこと。老母が悪魔崇拝者で、孫を悪魔付きにしようとしていたんですな。老母が死んでも、その遺伝子が家族を狂わせていくんですな。中でも少女のチャーリーが不気味。昨日と製作順が逆になりましたが、監督のアリ・アスターは、独特の映像感覚を持っており、従来のものとは一味違ったホラーになっていま~す。

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今週はホラー

録画していた『ミッドサマー』(2019年/監督:アリ・アスター)を観る。スウェーデンの小さな村の儀式の恐怖を描いたオカルトホラーです。

ある日突然、最愛の家族を失った女学生ダニー(フローレンス・ピュー)は、恋人クリスチャン(ジャック・レイナー)の勧めで、スウェーデンからの留学生ペレ(ヴィルヘルム・ブロムグレン)に誘われて、彼の故郷で開催される夏至祭にマーク(ウィル・ポールター)、ジョシュ(ウィリアム・ジャクソン・ハーパー)たちと参加することにします。ペレの故郷ホルガ村はスウェーデンの奥地にあり、夏至祭は90年に1度開かれる特別な祭り。ダニーたち一行は、白い衣装に身を包んだ村人たちに迎えられ、9日間にわたって行われる異様な儀式を体験していきますが……

映像感覚に優れた監督ですね。きれいな景色の中で、狂気を徐々に醸し出していきます。“W座からの招待状”で小山薫堂が言っていましたが、究極のシェア社会の恐怖を描いていると思いますよ。いろいろ深読みできる展開で、一味違ったホラーといえます。

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週に1度は西部劇

友人に送ってもらった『スレイブ・復讐のガンマン』(2018年/監督:マイケル・スティーヴス)を観る。元奴隷のガンマンが復讐のために乗った深夜列車での出来事を描いた異色西部劇。

南北戦争終結して7年後の深夜、6名の乗客を乗せたアトランタ行きの列車にお尋ね者のジェリコトニー・トッド)が乗り込みます。彼の目的は、ステファン・ハーグレーブスの娘アニー(ジェニファー・ラポルテ)を殺すこと。彼女を見つけ、殺す機会をうかがうジェリコでしたが……

西部劇でなく、オカルトホラーでした。西部で黒人を虐げた白人たちが地獄行の列車に乗ったわけですな。主人公も娘を白人領主から救うこともせず見殺しにしたので地獄行き。作っている本人だけが分かっていて、観ているこちらは何をやっているのか分からない演出で、何が何やら分からない作品で~す。

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週に1度は時代劇

録画していた市川海老蔵:主演の特別ドラマ・13代目市川團十郎白猿襲名記念特別企画『桶狭間織田信長 覇王の誕生~』を観る。桶狭間の戦いを題材にした歴史ドラマです。

1560年、今川義元三上博史)は2万5千の大軍で尾張に侵攻。織田信長市川海老蔵)は軍議もせず、近習の者だけを連れて夜中に出陣。母の土田御前(黒木瞳)は「信長は逃げた」と濃姫広瀬すず)になじります。信長は熱田神宮木下藤吉郎中尾明慶)や津島衆など信用できる兵士2千が集結し、今川の大軍に立ち向かっていきます。

父・信秀(北村一輝)との思い出、斎藤道三佐藤浩市)との会見、弟・信勝の処分など、桶狭間までの主な出来事がカットバックで挿入される構成。義元は、事前に信長の行動をつかんでいたという設定ですが、それにしてはあまりにも不用心。

市川海老蔵は重厚さを出そうとするあまり、演技が一本調子で、観ていて感情移入できません。三上博史も臭い芝居で周りから浮いていますな。襲名記念ということで、娘のぼたんと息子の勧玄が濃姫と信長の幼児期の役で出演しているのはご愛敬。出来は今イチですが、民放が歴史劇を製作したことは敬意を表しま~す。

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海外ドラマから

録画していた『ブロディガル・サン 殺人鬼の系譜(全20話)』を観了。悪名高いシリアルキラーを父に持つプロファイラーが、特異な経験と才能を活かしてニューヨーク市警で難事件を解決していくクライムサスペンスです。

23件の殺人容疑で精神病院に収容されているマーティン(マイケル・シーン)を父に持つマルコム(トム・ペイン)は、類まれなるプロファイラー能力をニューヨーク市警の警部補ギル(ルー・ダイヤモンド・フィリップス)にかわれて異常犯罪の捜査に協力。マーティンが女性4人を殺した事件の模倣犯が現れ、母のジェシカ(ベラミー・ヤング)は反対しますが、意見をきくためにマルコムは父と再会します。一方、テレビのニュースキャスターをしているマルコムの妹エイズリー(ハルストン・セイジ)はマーティンに単独インタビューを試み……

基本的には1話完結の物語展開ですが、解決した事件が次のエピソードに影響を与えるという面白い構成。異常犯罪を解決する度に、マルコムは自分も父と同じような殺人鬼になるのではないかというトラウマを抱えます。最終話では、母が親しくしている権力者エンディコットが法では裁くことのできないとんでもない悪党で、マーティンはマルコムに殺すしか解決できないとアドバイスエイズリーを人質にとったエンディコットにマルコムに銃を向けますが、エンディコットはエイズリーに殺され、第2シーズンへ続きます。殺人鬼の血を継いだのは、妹エイズリーだったのか、次シーズンも見逃せませ~ん。

画像は、左からマイケル・シーン、ベラミー・ヤング、トム・ペイン、ルー・ダイヤモンド・フィリップス。

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