時代劇から

録画していた『大岡越前6』の第1話「消えた三万両」を観る。BSプレミアムで放送している金曜時代劇です。

将軍・吉宗(椎名桔平)の弟と名乗る中川正軒(和泉元彌)という怪しい人物が現れ、ご落胤騒動が起きます。そんな中、将軍家の祝儀能が行われ、江戸城内に招かれた町人たちに紛れて盗賊が御金蔵から三万両を強奪。祝儀能を取り仕切っていた大岡忠相東山紀之)は責任を問われます。3日以内に事件を解決しなければ切腹という窮地に忠相は……

吉宗が平岳大から椎名桔平に変わりました。これまでにも忠相の妻・雪絵が国仲涼子から美村里江に、雪絵の父・吉村作左衛門が加藤武から寺田農に変わりましたが、その時はやむを得ない事情(出産と死亡)があったのですが、今回はどうしたのかな。

和泉元彌の演技は臭かったですが、東山紀之を相手の殺陣はまずまず。東山紀之は折り目正しく、気品があってグッド。大岡越前のピッタシのキャラといえま~す。

 

週に一度は西部劇

録画保存していた『大砂塵の男』(1972年/監督:ポール・スタンリー&ジェリー・ホッパー)を再見。何故再見したかというと、今週BSシネマで放送された『星のない男』と同じ話が使われているのを思い出したからです。

ベン・ジャスティン(チャールズ・ブロンソン)は、ワイオミングの牧場地帯で妻子と小さな牧場を始めます。頑な態度で他の牧場主と折り合いが悪く、特に隣家のサチェット(ジョージ・ケネディ)は新参者のジャスティンを馬鹿にして対立。ガース判事(リー・J・コッブ)の牧場の牧童頭バージニアン(ジェームズ・ドルリー)は、牛集めを前にして、二人を仲直りさせるのに苦労しています。

その頃、新しく大牧場主となったジョージア・プライス(ロイス・ネットルトン)が、協定を無視して5千頭の牛を買い入れたことから牧場主たちと一悶着。牧童頭のスピナー(ベン・ジョンスン)が意見すると、ジョージアはスピナーを馘にして、ジョニー・ウェイド(ブライアン・キース)を牧童頭にします。ウェイドは悪どいやり方で牧草地帯を我が物にしようとして、一緒に働いていたスティーブ(ゲーリー・クラーク)と対立。二人は、かつて親友でしたが決闘になりウェイドが死にます。牧場主たちの反発でジョージアは牧場を売って立ち去り、一件落着。

市場に出すための牛集めが始まり、ジャスティンの牛が伝染病に罹っていることがわかります。ジャスティンは皆に迷惑をかけないため、自分の牛を全て射殺。ジャスティンの勇気に感心したサチェットは、自分の種牛をジャスティンに譲り、二人の間のわだかまりが消え、メデタシ、メデタシです。

ポスターだけだとチャールズ・ブロンソン主演の映画のように見えますが、ブロンソンがゲスト出演したテレビ西部劇『バージニアン』のエピソード“The Nobility of Kings”に、ブライアン・キースがゲスト出演した“Duel at Siloh”を加えて劇場版用に編集したものです。ブルース・リーが活躍するエピソードを編集して劇場版『グリーン・ホーネット』を作ったように、ブロンソンの人気が出てきたので粗製したもの。そのため、物語展開にチグハグなところが多々見受けられ、映画としては満足できるものではありません。

“Duel at Siloh”が『星のない男』と同じで、このエピソードの後レギュラーとなるスティーブが、貨物列車にタダ乗りしてきて車掌に見つかって殴りあいになったところを、同じように無賃乗車してきたウェイドが助けて友人となり、二人は牧童頭のスピナーと知りあい、プライス牧場で働くことになります。東部から来た女牧場主ジョージアは野心家で、これまでのルールを無視してオープンレンジに大量の牛を放牧。小牧場主たちは牧草を確保するために有刺鉄線を張り巡らして対抗。争いを調停するためにガース判事の代理でバージニアンがジョージアと話し合いますがジョージアはウェイドの意見を聞き、バージニアンに味方するスピナーをクビにしてウェイドを牧童頭にします。ウェイドは有刺鉄線を異常に毛嫌いしており、争いはエスカレート。両者に負傷者が出て、ジョージアとスティーブはバージニアンの調停案を受け入れようとしますが、ウェイドは聞き入れず牛を暴走させます。バージニアンとスティーブが牛の暴走をくいとめ、ウェイドはスティーブに決闘を挑み、わざと撃たれてエンド。スティーブはこの後、ガース牧場で働くことになるのです。『大砂塵の男』では、半分近くカットされていました。

 

監督期待で

録画していた『コードネームB.A.D.G.E.R.』(2021年/監督:カーク・クーエット)を観る。ベテランスタントマンのカーク・クーエットが監督・脚本・主演したアクション映画です。

殺し屋ディーン(カーク・クーエット)は、社交性に乏しく単独行動を好み、脅されると極度の攻撃性を示すことから、その習性がよく似ているBADGER(アナグマ)と呼ばれています。そんな彼に、13歳の頃アルバニア系の犯罪組織に誘拐され、今ではそのボスのヴァシリー(マイケル・コプサ)に支配されながらアダルトサイトで働く女性ヴェルヴェット(アンドレア・ステファンシコヴァ)に接触し、組織の内情を探る仕事が舞い込みます。ディーンはヴェルヴェットを愛するようになり、組織を壊滅させてヴァシリーを殺すことを決意し……

スタイリッシュに描こうとしたのでしょうが、それが全然似合わないカークにアンドレア。間延びした演出に、やたらとカメラを振りまわすアクション。正統スタント・アクションを期待したのですが、予想は大外れで~す。

 

未見だったテレビ西部劇

子供の頃、観たくても観ることのできなかったテレビ西部劇をユーチューブで折に触れて観ています。『拳銃街道』もそのひとつ。本国アメリカでは6シーズン続いた人気西部劇でしたが、日本ではフジテレビ系列で1962年1月6日に始まり、途中で『ウエルス・ファーゴ』に題名変更して1年間放送。

『拳銃街道』は、現在では全米第3位の銀行として知名度の高いウェルズ・ファーゴ社が駅馬車事業も営んでいた西部開拓時代に秘密調査員として雇われていたジム・ハーディ(デイル・ロバートソン)の活躍を描いています。シーズン1の第10話は、駅馬車強盗として名高いサム・バスの物語。ハーディはテキサスを荒らしまわっているサム・バス(チャック・コナーズ)一味を捕えるために、テキサスレンジャー(レイ・ティール)に追われている強盗犯としてサム・バス一味に潜入します。サム・バスとハーディに奇妙な友情が芽生えますが……

サム・バスがわりと好い奴で、ハーディの忠告を受けて一味の若者(マイケル・ランドン)をこれ以上悪の道にはいらないように追い出すんですな。ハーディは暗号電文でテキサスレンジャーに一味の銀行強盗計画を知らせ、一味は待伏せしていたテキサスレンジャーによって全滅。サム・バスは若者が裏切ったと思ったのですが、ハーディが自分の正体を教え、安心して息をひきとります。

『拳銃街道』のエピソードには実在の人物が数多く登場します。マーティン・ランドーのドク・ホリデイ、ロバート・ボーンビリー・ザ・キッドチャールズ・ブロンソンブッチ・キャシディスティーブ・マックィーンのビル・ロングリーなどは観たかったのですが、ユーチューブに収録されておらず、残念!

 

A級VFX作品続きで

録画していた『ゴジラVSコング』(2021年/監督:アダム・ウィンガード)を観る。“モンスターバース”シリーズとして制作されてきたゴジラキングコングがついに対決。

太平洋の髑髏島ではキングコングが巨大化を続け、怪獣を調査する機関モナークの作ったドームでの管理に限界がきつつあります。そんな中、ゴジラが米国にある最先端テクノロジー企業エイペック社を襲います。同社のCEOウォルター(デミアン・ビチル)は南極の地下を通り、怪獣たちの故郷である地底空洞の探索を計画。コングを地底世界への案内人にしようと考え……

ウォルターは人間が生物の頂点であることを証明するためにゴジラを倒す兵器メカゴジラを完成。地底世界にあるエネルギー源をメカゴジラのエネルギーにするのですが、メカゴジラが暴走します。ゴジラメカゴジラの前に苦戦しますが、ゴジラと戦ってきたコングが最終的にはゴジラに協力してメカゴジラを粉砕するんですな。人間ドラマなんて端から期待しておらず、怪獣の戦いだけに興味を持って観たのですが、香港を舞台にしたクライマックスは大迫力で、アトラクション映画として満足、満足です。ちなみに、小栗旬の出演が話題になりましたが、どうでもいいような役で~す。

 

出かけたついでに

昨日は、12月に会って以来の友人との会食にさいたま新都心まで出かける。久しぶりに飲んで喋ってということになりましてね。待ち合わせ時間に合わせて、MOVIXで『ドクター・ストレンジマルチバース・オブ・マッドネス』(2022年/監督:サム・ライミ)を観賞。

物語はストレンジ(ベネディクト・カンバーバッチ)が少女を守って怪物と戦っている夢を見ているところから始まります。そして夢の中に出てきた少女アメリカ・チャベスソーチ・ゴメス)が怪物に追われて現実に現れ、ストレンジとウォン(ベネディクト・ウォン)が怪物を撃退。チャベスは多元宇宙(マルチバース)を自由に行き来できる能力を持っており、その能力を狙っている何者かがいることがわかります。最初に見た夢も多元宇宙の中にある他の世界の現実。ストレンジは夢を見させる能力があるスカーレット・ウィッチ(エリザベス・オルセン)に相談に行きますが、彼女がチャベスの能力を奪おうとしている張本人とわかり……

MCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)を知らない人には、何が何やらわからない作品。ストレンジが登場する前作『スパイダーマン/ノー・ウェイ・ホーム』を観ていないのですが、どうもストレンジが多元宇宙に影響を与えた感じ。スカーレット・ウィッチについても記憶になく、今イチよくわからないところがありました。VFXも単純なアクションの連続でアトラクション映画としての驚きはありません。サム・ライミも“昔の名前で出ています”になりましたなァ。

 

期待していなかったが

録画していた『妖怪大戦争ガーディアンズ』(2021年/監督:三池崇史)を観る。古代の化石が結合した巨大妖怪獣と戦うことになった少年を描いたファンタジーアクションです。

日本列島のフォッサマグナで古代の化石が一つに結集し、巨大な妖怪獣に変化し、東京に向けて動き出します。この危機を恐れたぬらりひょん大森南朋)たち妖怪は伝説の武神“大魔神”をよみがえらそうと、平安時代妖怪ハンター渡辺綱北村一輝)の子孫である気弱な少年ケイ(寺田心)に注目。しかし、間違えてケイの弟ダイ(猪俣怜生)を連れ去ります。弟を救うためにケイは、謎の妖怪剣士・狐面の女(杉咲花)の導きで“大魔神”のもとへ向かいますが……

何じゃコリャ、というような酷い作品。三池崇史は2005年にも『妖怪大戦争』を監督していますが、あれも酷かったですが、それよりももっと酷いです。妖怪の数は増えていますが、顔見せだけね。大戦争なんかしません。CGによる大魔神も重量感が感じられず、何に対する怒りなのかも不明。サービスのつもりか、前作では主演の子役だった神木隆之介フォッサマグナを教える教師役で出演しています。一言でいえば、出演者が妖怪メイキャップを楽しんでいるだけの作品です。予想以上に酷くてガッカリ。三池崇史は“昔の名前で出ています”になりましたなァ。