ぼ、ぼ、ぼくらは少年探偵団

nostalji2017-01-16

友人から送ってもらった『少年探偵団・妖怪博士&二十面相の悪魔』(1956年・東映/監督:小林恒夫)を観る。テレビが普及する前、私が夢中になって聴いていたラジオドラマに『少年探偵団』があります。江戸川乱歩少年雑誌『少年』に連載していたものをドラマ化したものね。少年たちに大人気となり、映画化したのがこの作品です。
怪人二十面相南原宏治)によって原子力研究所の金庫が破られますが、名探偵・明智小五郎岡田英次)の機転で新型原子炉の設計図は相川技師長(宇佐美淳也)の家に隠されていました。しかし、二十面相は罠をかけて技師長の息子・相川少年(原国雄)を誘拐。催眠術をかけられた相川少年は帰宅して設計図を奪い去ります。対策を練る中村警部(神田隆)の前に殿村と名乗る探偵が現れ、3日間で事件を解決すると宣言。約束の日、殿村は中村警部や相川技師長を伴い、古びた西洋館で相川少年を救い、設計図を取り出しますが、明智小五郎に正体を二十面相と見破られます。明智と中村警部は二十面相を追い詰めますが落とし穴に落ち……(妖怪博士)
明智は少年探偵団の小林少年(小森康充)に救出され、二十面相から挑戦の通信が入ります。設計図の図面は半分しかなく、残りの半分は小泉所長(山形勲)が保管していたのね。所長の息子が誘拐され、明智に変装した二十面相が小泉所長を騙して設計図を持ち出します。小林少年は偽者と気づき、追跡して遊園地で小泉少年を発見。二十面相には逃げられますが、通信電波から二十面相のアジトは奥多摩にあることがわかります。明智の助手・マリ子(中原ひとみ)と少年探偵団は鍾乳洞にある二十面相のアジトを見つけ、海外逃亡寸前の二十面相を駆けつけた明智が捕縛……(二十面相の悪魔)
相川少年が奇妙な印をつけて歩く乞食を目撃し、尾行した古びた西洋館で縛られた少女を発見しますが、それが蝋人形という怪奇趣味は乱歩の世界ね。二十面相は片足の乞食、怪人・蛭田博士、不気味な老婆に変装して相川少年の前に現れます。捕まえるだけなのに、そんな手間暇かけるところが楽しいんですよ。
後半の「二十面相の悪魔」では、一転して連続活劇調。小林少年が遊園地の時計台で長針に挟まれて首を切られそうになったり、マリ子が鍾乳洞のアジトで鍾乳石の針が植え込まれた釣り天井で殺されそうになったりと、ピンチの連続です。ラストは二十面相一味との大銃撃戦。エンディングは明智と少年探偵団が並んで歩く姿をバックに、ラジオドラマの主題歌でもある、♪〜ぼ、ぼ、ぼくらは少年探偵団〜が流れま〜す。