帰京

nostalji2018-05-25

移動や待ち時間に読んでいた山本一力:著の『損料屋喜八郎始末控え』(文春文庫:2004年2月25日第6刷)を読了。著者のデビュー作で、単行本化第1作です。
損料屋というのは、本書の記述によると、「夏の蚊帳、冬の炬燵から鍋、釜、布団まで賃貸しする商売」とのことで、現代でいえばレンタル業ですな。主人公の喜八郎は損料屋を表稼業に、裏では奉行所筆頭与力や深川のいなせな仲間たちと力を合わせ、巨利を貪る札差たちと渡り合います。札差業界を中心にした様々な陰謀を防ぐ喜八郎の推理と活動を描いた4話からなる連鎖長編で、1話ずつ完結していますが、物語はうねるように続いていき、長編小説としての醍醐味も味わえま〜す。