文芸時代劇

nostalji2018-06-21

録画していた『花戦さ』(2017年・東映/監督:篠原哲雄)を観る。華道の家元・池坊専好が芸術で豊臣秀吉に挑む鬼塚忠の小説の映画化です。
京都頂法寺六角堂の花僧・池坊専好野村萬斎)は、天下布武を目指す織田信長中井貴一)の前で花をいけ、居合わせた千利休佐藤浩市)らの心をつかみますが、思わぬ失態をしでかし秀吉(市川猿之助)の機転に助けられます。それから十数年が経ち、秀吉が天下統一。専好と利休は親友として互いの道を高めあっていき専好ます。しかし、秀吉は驕り高ぶり、秀吉の意に沿わない利休は切腹。暴君と化した秀吉に町衆の吉右衛門高橋克実)たちも犠牲になり、専好は前田利家佐々木蔵之介)の屋敷で、花でもって太閤秀吉に一世一代の戦さを仕掛け……
生け花に興味のある方は、花を見ているだけで楽しめると思います。野村萬斎の表情豊かな演技が作品全体を昂め、物語を面白くしていますね。説明セリフを少なくして、できるだけ映像だけで表現しようとしており、篠原哲雄の演出にも好感が持てます。権力対芸術という暗く重苦しくなりがちな題材をユーモアあふれるものにした快作で〜す。