芸の肥やし

nostalji2007-04-26

録画していた市川雷蔵主演の『潮来出島・美男剣法』(1954年・大映/監督:安田公義)を観る。富田常男の小説『潮来出島』が原作です。主人公は筑後柳川の出身で、長竹刀を使った突きの名手なんですが、これって幕末の剣客・大石進をモデルにしていますね。雷蔵の長刀を使った立回りは少しバランスが悪いです。共演者の黒川弥太郎の流麗な立回りと見比べると、見劣りするのは仕方ないですが、主役としての華は感じさせます。まさに美男剣法ですよ。市川雷蔵の自伝によると、この作品は大映専属第1回の主演映画とのこと。この作品の前に3本の映画に出演していますが、雷蔵にとっても会社にとっても映画俳優としての可能性や将来性を検討するテスト出演で、この作品から専属契約を結んだそうです。
画像は、『潮来出島・美男剣法』の市川雷蔵と嵯峨三智子。最初の共演作品で、以後、たてつづけにコンビを組んでいますね。「彼女ほど仇っぽい芝居のできる女優は、まずいないだろう」と雷蔵は語っていますが、旺盛な男性遍歴が、単に寂しいから友だちが欲しいというだけになり、芸の膨らみとなり人間味とならなかったのは惜しいです。
HP:チャンバラワールドの「まとめて市川雷蔵」に追加アップ⇒http://www.asahi-net.or.jp/~uy7k-ymst/star3/raizo5.htm
新聞を読んでいて気になる表現にぶつかる。それは社会面の“母と隔離、監禁か”の記事で、「渡辺さんは何らかの理由で絞殺されたとみられる」とあるのですが、死体が発見されていないのに死因はわからないでしょう。編集時のチェック漏れですかね。私も日記で、プロットをスロットと誤字していたので、大きなことは言えませんが……