討入りの日ということで

nostalji2008-12-14

録画していた『忠臣蔵・暁の陣太鼓』(1958年・松竹/監督:倉橋良介)を観る。藩主を諌めて逆に疎まれ、暗殺にきた武術指南役を斬って脱藩した中山安兵衛(森美樹)は、いつかは藩主の誤解もとけ、帰参できると思って江戸で暮していたんですが、上意討ちの追手を差し向けられたことから、自暴自棄となり呑ンベエの喧嘩安になるんですな。それから有名な高田の馬場の決闘があって堀部家の婿養子となり、赤穂浪士となって討入りするまでを、男勝りの髪結いのお勝(嵯峨美智子)の安兵衛への恋心や、俵星玄蕃近衛十四郎)との友情を絡めて手際よくまとめています。森美樹の二刀流でのチャンバラがあまりにも下手なのでシラケルのですが、高田の馬場に駆けつけるシーンで、毛槍を棒高跳びのようにして行列を跳び越えるところは面白かったです。それと、吉良邸の応援に駆けつける上杉藩士を次々と突き刺す近衛十四郎の槍の立回りは見事です。チャンバラ映画は、やっぱり立回りだよなァ。
テレビ朝日で『忠臣蔵・音無しの剣』を観る。“忠臣蔵”でなく“忠臣蔵外伝”ね。“忠臣蔵”とつける場合は、主人公が赤穂浪士でなければなりません。“忠臣蔵”の本筋とは関係なく、主人公が赤穂浪士を助ける物語ですからね。田村正和が演じるヒーローの年齢設定は何歳なんだろう。とにかく老けが目立って痛々しかったですよ。若い俳優が老け役をするのは無理がない(『篤姫』の宮崎あおいは巧いねェ)のですが、アップのない舞台ならともかく、テレビでは60歳半ばの役者に40歳以下の役は無理がありますねェ。