竜頭蛇尾

nostalji2009-01-24

録画していた『怪談累が淵』(1960年・大映/監督:安田公義)を観る。新左衛門(杉山昌三九)が宗悦(中村鴈治郎)を殺すプロローグは、中村鴈治郎の名演技と相俟って、ケレンとオドロオドロしさに溢れていて監督の演出の冴を感じさせたのですが、新五郎(北上弥太郎)と豊志賀(中田康子)の話になってからは全然ダメです。吉松(須賀不二男)という実悪を登場させ、新五郎を色悪でなく性格のいい奴にしたのが失敗ですね。豊志賀は単なる嫉妬深い女だけになり、親の因果からくる悪縁の恐怖というものが薄れましたからね。結局、新五郎は豊志賀を篤く弔ってエンド。なんじゃ、こりゃあ……怒りの大放屁ちゃぶ台返し
画像は、中田康子と北上弥太郎。中田康子の大きく胸の開いた着物姿に北上弥太郎はメロメロになるんですな。映画の惹句は、“その男に惚れまいぞ!怪異の沼の呼ぶ声に、恋に狂った女の肌が妖しくもだえる!”と、“身ぶるいするお色気!身の毛もよだつ恐ろしさ!”で〜す。
HP:チャンバラワールドの「怪談映画」に追加アップ⇒http://www.asahi-net.or.jp/~uy7k-ymst/kaidan/kaiki6.htm