高田浩吉のヒットシリーズ

nostalji2009-04-11

録画していた『伝七捕物帖・人肌千両』(1954年・松竹/監督:松田定次)を観る。伝七捕物帖は、松竹で11本、東映で2本作られた高田浩吉のヒットシリーズです。『伝七捕物帖・人肌千両』は、その第1作目ね。予告して盗みを働く“疾風”と名乗る盗賊団の正体を黒門町の伝七が暴く捕物時代劇。伝七の恋人お俊(月丘夢路)に嫌らしく迫る三島雅夫が圧倒的な存在感を持っています。身の安全のためなら仲間の剣豪・近衛十四郎を騙して毒殺するふてぶてしさ、悪党の魅力満点でしたよ。澱みない展開で、見せ場もカッチリ作っており、これなら観客は満足するでしょうね。
原作は捕物作家クラブ(野村胡堂城昌幸・土師清二・佐々木壮太郎・陣出達朗)の連作小説で、話題性はあったでしょうが、小説としての出来は果たして……? 後年、陣出達朗が一人で書くようになり、中村梅之助が主演したテレビの『伝七捕物帖』は陣出達朗の原作になっていましたね。画像は高田浩吉の伝七。