ギャグが浮いている

nostalji2009-04-12

録画していた『伝七捕物帖・刺青女難』(1954年・松竹/監督:岩間鶴夫)を観る。彫物師が密室状態で殺されている出だしは好調なのですが、それが簡単に軽業師の仕業とわかり、伝七(高田浩吉)が見世物小屋を調べはじめてから間延びしてきます。登場人物の思惑が色々絡んで事件を複雑にするという構造なんですが、セリフでの表現と映像での表現がうまく整理されておらず、謎解きの面白さが出ていません。事件の影に美女あり、嵯峨三智子が美麗だったので満足しましょう。
画像は、伝七の子分・獅子っ鼻の竹役の伴淳三郎。捕物映画における主人公の子分はコメディリリーフ的存在で、映画全体を明るくする役割があります。ただ、コメディ性が強くでると、全体とのバランスを欠いてシラケタものになるんですね。この作品におけるバンジュンのギャグはオーバーアクトで、ひとり浮いていました。コメディ映画なら、『二等兵物語』のようにアクの強さが活かされて、効果が出るんですがねェ。