幻の大国

nostalji2010-01-08

録画していたETB特集『日本と朝鮮半島2000年』の第5回と第6回を観る。第5回「日本海の道」は、渤海との交流を中心にした日本海交通について検証しています。渤海は、韓国時代劇『大祚栄(テジョヨン)』を観るまでは、名前だけは知っていても、私にとって存在の薄い国でした。200年に渡って、シベリア沿海州から北朝鮮北部・満州から遼東にかけて領有した大国なのに歴史の教科書では殆ど出てきませんからね。だけど日本が渤海と頻繁に使節のやりとりをして、古代文化の形成に影響を受けたことは紛れもない事実です。渤海が知られていないのは、自国の歴史書がないことと、他国の歴史書にも記述が殆どないためですね。それと、渤海が滅んだ後、その跡地には国家らしい国家が形成されなかったことも大きいです。
画像は、『大祚栄(テジョヨン)』のチェ・スジョン。『大祚栄(テジョヨン)』は、渤海を建国した英雄の物語ですが、実在した人物の名前を借りただけの99%フィクションでした。
第6回「蒙古襲来の衝撃」は、元の朝鮮支配と日本侵略について検証しています。元に屈服した高麗の中に、三別抄という部隊が反乱を起こし、珍島に新政府を樹立して最後まで元に抵抗したなんて、私の知らないことだったので興味がひかれました。三別抄は鎌倉幕府に救援をもとめているのですが、高麗の事情について無知だったために、幕府は返事も出していません。もしも三別抄の依頼に応じて救援軍を出していたら、元軍の兵器も戦術も知らないので白村江の戦いの二の舞になっていたでしょうね。しかし、元が博多湾にやってきた時は……