おざなりのシナリオ

nostalji2010-05-08

録画していた『伝七捕物帖・美女蝙蝠』(1957年・松竹/監督:福田清一)を観る。金塊を積んだ船が沈み、その金塊を巡って起こる殺人事件を黒門町の伝七(高田浩吉)が解決する物語です。蝙蝠を操る不気味な老婆、ケロイド顔の山伏、洞窟に暮す原始人的大男などを登場させ、怪奇趣向を狙っていますが、物語展開においてあまり意味をもっていません。突然殺される目明しの万五郎は伝七の愛妻お俊(草笛光子)の父という設定ですが、草笛光子は二代目お俊で、父親は伊豆火薬庫の番人だったはずです。万五郎の娘は死んだ初代お俊(月丘夢路)ね。画像は、高田浩吉草笛光子
嵯峨三智子の背中に施されていた金塊の隠し場所を示す蝙蝠の刺青もあまり意味を持っていないし、はっきり言って適当に書かれたシナリオです。ラストでは、♪〜みんな御用のときがきた〜と、能天気に高田浩吉が歌いながら現れ、黒幕の船奉行(北龍二)と実行犯の腹心(石黒達也)を捕まえてメデタシメデタシ。お俊が捕まっていた場所に証拠の金塊があったからいいようなものの、見込みだけで船奉行を御用にすることはできませんよォ。