追悼にならない

nostalji2010-05-31

個性派スターのデニス・ホッパー(74歳)さんが亡くなる。万人が認める代表作は、1969年に彼が監督・主演した『イージー・ライダー』になるでしょうね。当時の若者の風俗をふんだんに取り入れ、オートバイでアメリカ西部を旅する男たちの孤独を描いていました。“フランティアなき時代のフロンティア”を求める男たちの姿は、若い世代に多くの共感を呼び、アメリカン・ニューシネマの象徴となりました。
でもって、ビデオで彼が主演した『マッド・ドッグ・モーガン』(1976年/監督:フィリップ・モーラ)を観る。1860年代のオーストラリアを舞台にした西部劇です。チャイナ・タウンの売春宿の手入れにきた警官に、親友を殺されてことから警官を憎み、無法者の人生を歩むことになったモーガンデニス・ホッパー)の物語ね。強盗・殺人により“マッド・ドッグ”と呼ばれるお尋ね者になり、放浪の果てに自警団によって射殺されます。これって、実話なのですかね。ラストは、くそリアリズムに徹しているし、フィクションにしては、恐ろしく盛り上がりに欠けるんですよ。アメリカン・ニューシネマの影響を受けていることは間違いありませんが、あまりの退屈さに途中で早回ししてしまいました。反体制キャラは彼にピッタシなのですが、ハリウッドからパージされてアルコールとドラッグの中毒になり、アメリカ以外で映画出演していた頃の作品で、演技に冴えは見られませ〜ん。