アジア風雲時代

nostalji2010-08-08

録画していた『ウォーロード・男たちの誓い』(2008年/監督:ピーター・チャン)を観る。清朝末期の太平天国の乱を舞台にした戦争アクションドラマです。太平天国軍に部隊を全滅させられた将軍チンユン(ジェット・リー)が、盗賊団のウーヤン(金城武)と知り合い、首領のアルフ(アンディ・ラウ)を紹介されて清朝正規軍に参入することを勧めます。官軍になれば、根城としている村の安全は保障され、俸禄も需給されるんです。三人は義兄弟の盟約を結び、太平天国軍相手に戦うことになるわけです。8百人対5千人の戦闘シーンは、『レッドクリフ』の戦闘シーンより迫力ありますよ。
チンユンが知らずに好きになった女リィエン(シュー・ジンレイ)がアルフの妻だったことや、蘇州城での捕虜の扱いを巡ってのチンユンとアルフの対立などから、三人の間に溝ができていくんですな。でもって、最終的には悲劇的な結末を迎えることになるんですが、骨太な作品で満足できます。
ところで太平天国の乱というのは、1850年に洪秀全を指導者とする反清革命軍が蜂起し、太平天国を名乗って1964年まで揚子江流域を支配しました。弁髪を廃止して髪を伸ばしたことから、長髪族の乱とも呼ばれていますね。太平天国の本拠地南京が陥落した1964年は、朝鮮では東学を創始(後に東学党の乱が発生)した崔済愚が処刑され、日本では幕府の長州征伐の気運が昂まっていた時でした。NHK大河『龍馬伝』は、現在1965年を描いており、『ウォーロード・男たちの誓い』は同時代なので〜す。