対決の妙

nostalji2010-09-01

BS2で『ヴェラクルス』(1954年/監督:ロバート・アルドリッチ)を放送。南北戦争直後のメキシコを舞台にした西部劇です。南軍の落武者(ゲーリー・クーパー)が、マキシミリアン皇帝圧政下のメキシコへやってくるんですな。皇帝に腕を見込まれ、へんな友情で結ばれた無法者(バート・ランカスター)と伯爵令嬢をヴェラクルス港まで送る護衛役を頼まれます。それは偽装であって、実は馬車に隠された金貨の輸送が真の目的だったんですな。この金貨を狙って、政府要人・革命軍・無法者集団が戦いを繰り広げます。画像はクーパーとランカスター。
見せ場の多い第1級の娯楽西部劇です。ランカスターが美味しいところをさらって、主役のクーパーを完全に食っているのですが、食われたクーパーも流石で、いぶし銀の味わいがあって、私はランカスターよりもクーパーの方に魅力を感じますね。
この作品は色々な方面に影響をあたえていて、五味康祐の小説『柳生連也斎』における最後の勝者がどちらかわからないような結末は、ラストでのクーパーとランカスターの有名な決闘をヒントにしていますし、日活ウエスタンにおいても、宍戸錠が『早射ち野郎』でランカスターのスタイルを真似たり、“渡り鳥”シリーズでのアキラとジョーのやりとりにも似たシーンがありま〜す。