忍者というよりカンフー

nostalji2011-09-04

録画していた『忍者武芸帖・百々地三太夫』(1980年・東映/監督:鈴木則文)を観る。伊賀攻めをしている秀吉(小池朝雄)の腹臣となった甲賀忍者の不知火将監(千葉真一)の卑劣な策謀によって父と母を殺された百々地三太夫の子・鷹丸(真田広之)は、明に逃れ、カンフーをマスターして日本に戻り、仲間と再会して秀吉と将監に復讐を誓います。仲間は義賊・石川五右衛門と名乗って、盗んだ財物で百々地家再興の軍資金にしているんですな。百々地家の隠し金山の在処をしめす地図が記されている短刀が二本あって、一本は鷹丸が、一本は戸沢白雲斎(丹波哲郎)が所持しています。将監に襲われて多くの仲間を失った鷹丸は、生き残った仲間と白雲斎のもとで修行して必殺技を会得し、服部半蔵夏八木勲)から将監の動向を知らされて最後の決戦へ。
アクションシーンは千葉真一が監督していて、高い木の上での佐藤允率いる蜘蛛一族と甲賀忍者の戦いや、ストーリー的には関係ないような志穂美悦子のカンフーアクションなど、それなりに見応えのあるものになっています。真田広之もキレのいい体技を見せていますし、CG特撮とは違う生身の迫力がありますよ。もっと、忍者らしい動きがあれば良かったんですけど。
財宝探しの短刀争奪戦が展開するのでもなく、志穂美悦子の存在や、幼馴染の蜷川有紀との絡みも取ってつけたようなもので深みがなく、全体的に中途半端なものになっています。エピソードの寄せ集めで、基軸となる芯が通っていないんですね。散漫な作品で〜す。