一枚上手の家康

nostalji2011-10-05

ビデオに録画保存していた『忍びの者・霧隠才蔵』(1964年・大映/監督:田中徳三)を観る。大阪冬の陣の結果、徳川家康中村鴈治郎)は豊臣家を追いつめる策を次々に打ち出す。九度山にひきこもり情勢をみていた真田幸村若山富三郎)は、霧隠才蔵市川雷蔵)たち配下の忍者に家康暗殺を命じるんですな。家康も配下の忍者・与藤次(須賀不二男)を使って幸村の動向を調べています。この辺の情報合戦は面白いですね。
町人に変装して駿府の城下に忍び込んだ才蔵ですが、歩き方で与藤次に見破られ、捕り手に追われます。女郎屋で働いている茜(磯村みどり)に救われ、二人は恋情を持ちますが、使命のため才蔵は茜を棄て、仲間と駿府城に忍び込みます。
忍者のテクニックを駆使して家康に迫るのが見どころです。才蔵が家康を見つけ殺そうとすると、家康は恐れおののいて、自分は影武者だと言うんですな。そして、本物がいる寝所を案内します。才蔵は寝所にいた家康を殺しますが、これが影武者で、才蔵は駆けつけてきた家康の家臣たちに捕えられます。「才蔵ほどの忍者が自ら死を選ばず、捕えられたということは、仲間がまだ潜んでいるに違いない」と、家康は才蔵の計画を見抜くんですが、中村鴈治郎は老獪な家康にピッタリでしたね。
結局、仲間は全員殺され、才蔵は食を絶って息絶えるのですが、これが化死の術で、脱出に成功します。やがて大阪夏の陣がおこり、才蔵は幸村暗殺にきた与藤次を倒し、幸村を促して大阪城から脱出します。幸村は死んでないんだよォ。聴いたら、すぐにわかる伊福部昭の音楽もマッチし、上出来時代劇といえま〜す。