主人公が違う

nostalji2011-11-10

録画していた『修羅八荒』(1957年・新東宝/監督:渡辺邦男)を観る。二条城の御金蔵から奪われた1万両の御用金を追って、京都→大阪→東海道→江戸へと展開する、前編「薩多峠の剣陣」と後編「猛襲伏魔伝」からなる大長編時代劇です。何度も映画化されていますが、主人公が御用金を捜索する浅香恵之助(若山富三郎)でなく、目明しの銀八(嵐寛寿郎)というのはこの作品だけですね。それも以前は武士で、御用金強奪の首領・陣場弥十郎(阿部九州男)とは宿敵という設定はかなり脚色しています。
チャンバラシーンは多いのですが、その他大勢の斬られ役が下手なため、アラカンやワカトミの立回りが活かされていません。薩多峠でのアラカンと阿部九州男の対決は、戦前からのチャンバラスターとあって、凡百相手の立回りより見せてくれます。古臭い物語ですが、スピーディーな展開で退屈はしませ〜ん。