盲目だって目は回る

nostalji2011-12-04

録画していた『座頭市鉄火旅』(1967年・大映/監督:安田公義)と、テレビ版『座頭市物語』の第5話と第6話を観る。
座頭市鉄火旅』は、何者かに斬られた足利の庄太郎を看取った市は、県の岩五郎(遠藤辰雄)が好き勝手なことをしている足利にやって来るんですな。市は岩五郎の賭場を荒した帰り、刀鍛冶の仙造(東野英治郎)と知りあい、仙造は市の仕込みが師匠の作であること、そして刀の寿命が尽きていることを告げます。市は仙造の娘・お志津(藤村志保)がいる旅籠の下野屋で働きはじめますが、八州見廻役の桑山(須賀不二男)がお志津の美貌に目をつけるんですよ。
シリーズ15作目となると、さすがに息切れがしてきた感じです。特別出演の感じで、水前寺清子藤田まことが顔を見せていますが、カンフル剤になったかどうか。市の仕込み杖が何時折れるかがサスペンスになるのですが、予想通りの結末でした。樽に入った市が、樽をグルグル回されてピンチになるのですが、「盲目には回る目がない!」と言って斬りまくるシーンには笑ってしまいましたね。それにしても、藤村志保はキリッとしていて良いなァ。
座頭市物語』の第5話「情知らずが情に泣いた」(監督:安田公義、脚本:池田一朗)は、妹(市毛良枝)の眼の治療代を稼ぐヤクザの用心棒(黒沢年男)との友情と対決を描いた作品です。今イチ後味が良くなかったですね。
第6話「どしゃぶり」(監督:田中徳三、脚本:星川清司)は、女郎にされそうな娘を助けた女(朝丘雪路)のために、女郎屋ヤクザが雇った凄腕の殺し屋(成田三樹夫)と対決する物語です。女と市の因縁が絡んだ含みのある作品でした。