懐かしく、楽しく

nostalji2012-01-12

ビデオに録画保存していた『孤剣は折れず・月影一刀流』(1960年・東映/監督:佐々木康)を観る。恩師・小野忠明が暗殺されたという知らせを聞いた神子上源四郎(鶴田浩二)が江戸に帰ってくるんですな。小野道場から柳生道場に鞍替えした4人の剣士を斬り、春日局(毛利菊江)を仇と狙う姉妹、糸耶(藤田佳子)と美音(桜町弘子)に出会い、源四郎は病気の美音に惹かれます。町中を若衆姿で馬を走らす将軍の娘・加寿姫(美空ひばり)を源四郎が取り押さえ、大きくなった騒ぎを鎮めるのが松平伊豆守(黒川弥太郎)ね。加寿姫は源四郎を好きになります。伊豆守は孤児だった源四郎の養い親で、幕政に口出しする春日局(毛利菊江)に悩んでおり、源四郎は春日局の暗殺を決意するのね。その時、天井裏に潜んで盗み聞いていた泥棒・卍の黒丸(徳大寺伸)は源四郎に捕えられ、源四郎の腕と度胸に惚れて子分になります。源四郎が春日局の道中を待ち伏せしていると、糸耶が先に春日局を襲って逆に捕えられ、源四郎が救出します。そのショックで春日局は病気になり、終には卒中で死んでしまうんですよ。小野道場は高垣弥九郎(加賀邦男)が継いでおり、邪魔な源四郎を襲いますが逆に足を斬られます。自分だけで源四郎に敵わないので、味方につけたのが小野忠明を殺した風早竜馬(平幹二朗)ね。小野忠明を殺したのが柳生但馬守月形龍之介)だと思って、源四郎は但馬守を襲いますが逆に捕えられ、但馬守から風早竜馬のことを教えられ……
原作は柴田錬三郎で、シバレンの定型フォーマットとなっています。孤独で美男の主人公、主人公を好きになる女たち、薄幸な女性との恋、主人公の子分となって手助けをする泥棒、剣のライバルといった具合にね。東映時代劇全盛の頃の作品で、その他大勢に至るまで、立ち居振る舞いがピタッと決まっています。美術も絢爛で素晴らしいです。月形の風格とは比べようはありませんが、鶴田の格好だけのチャンバラも楽しめました。最近の時代劇にはない楽しさがありま〜す。