何もない時は

nostalji2012-01-27

西部劇ビデオの『北西騎馬警官隊』(1940年/監督:セシル・B・デミル)を観る。殺人犯(ジョージ・バンクロフト)を追ってカナダへやってきたテキサスレンジャー(ゲーリー・クーパー)が、16世紀にイギリスやフランスから渡ってきた白人と先住民の混血種族メティスの反乱に巻き込まれ、反乱鎮圧の北西騎馬警官隊に協力する物語ね。この物語当時のカナダはイギリスの植民地から自治領になっており、政府の役人はイギリスの法律をふりかざしてメティスの土地を奪ったんですな。アメリカの騎兵隊がインディアン征伐するように、北西騎馬警官隊がメティスを蹴散らすのです。悪いのは政府なので、メティス全体を悪にするのは気がひけたのか、クーパーが追ってきた殺人犯だけを武器(ガトリングガン)を密売して反乱を煽動した悪〜いメティスにしています。
騎馬警官隊の砦にやってきたクーパーは、看護婦のマドレーヌ・キャロルを好きになりますが、騎馬警官隊のプレストン・フォスターもキャロルを愛しており、戦いの合間に恋のつばぜり合いを見せます。キャロルの弟ロバート・プレストンポーレット・ゴダードは恋人同士なんですが、ゴダードの父が殺人犯ジョージ・バンクロフトで、騎馬警官隊のロバート・プレストンゴダードのためにピンチに立たされます。弟おもいのキャロルを巡ってクーパーとフォスターのかけひきが見どころね。
セシル・B・デミルの初のカラー作品で、騎馬警官隊の赤い制服と緑の森林といった色彩効果たっぷりの映像は素晴らしいのですが、肝心のアクションシーンが今イチ迫力ありません。ユーモアを交えた銃撃戦は、緊迫感をなくしており、ユーモアが逆にマイナスになっていますね。クーパーもあまり見せ場がなく、残念!
画像は、ロバート・プレストンポーレット・ゴダードゲーリー・クーパー。当時、ゴダードチャップリン夫人ね。太平洋戦争直前の作品のため、日本で公開されたのは1952年でした。