荒唐無稽だが

nostalji2012-02-02

ビデオに録画保存していた『若さま侍捕物帖・鮮血の人魚』(1957年・東映/監督:深田金之助)を観る。両国の川開きの日、素晴らしい花火が打ち上げられ、船宿の娘・お糸(星美智子)と花火見物をしていた若さま(大川橋蔵)は、強力な火薬が使われていることに気づくんですな。同じように気づいた人物が二人いまして、一人は火薬の発明者の江川了巴(進藤英太郎)、もう一人は廻船問屋・利倉屋(岡譲司)でした。花火職人、花火屋の番頭、花火職人を海で助けたという漁師が連続して殺されたことを目明しの小吉(星十郎)から知らされた若さまは、背後に大きな陰謀があることを直感し、捜査を開始します。
ネタを明かすと、江川了巴が尾張藩家老(坂東蓑助)と共謀して、九鬼家の遺臣が暮らす人魚島で秘密裡に火薬を製造していたんですな。その島から逃げ出した花火職人と関係者が江川了巴一味に殺されたのね。江川了巴は病気静養している尾張藩主(伏見扇太郎)を幽閉して尾張家を乗っ取り、強力火薬と九鬼家の遺臣を使って幕府転覆を計画していたんですよ。若さまは尾張藩主と密かに会って脱出させ、人魚島に乗り込んで九鬼家のお姫さま(大川恵子)を説得して反乱を止め、江川了巴の陰謀を砕くので〜す。
江川了巴一味や、強力火薬を手に入れようとする利倉屋一味から若さまは邪魔者として狙われ、チャンバラはたっぷりあるのですが、大川橋蔵のチャンバラはフニャフニャで見てられません。橋蔵のチャンバラが見れるようになったのは、『新吾十番勝負』以後ですね。
内容的にも殺陣にも見るべきところはないのですが、東映時代劇全盛時の明るいムードがあふれていて、私は好きだなァ。