正義も軽くなった

nostalji2012-02-05

録画していた『グリーン・ホーネット』(2010年/監督:ミシェル・ゴンドリー)を観る。死んだ(殺されたことが後でわかる)父の後を継いで新聞社の社長となったブリット(セス・ローゲン)は、天才的科学者で空手の達人カトー(ジェイ・チョウ)を相棒に、緑の仮面をつけたヒーロー“グリーン・ホーネット”となって犯罪組織の親玉チュドノフスキー(クリストフ・ヴァルツ)と戦う物語ね。まともなヒーロー物かと思ったら、能天気なコメディアクションでした。笑いをとりながら派手なアクションを見せることだけに主眼がおかれているのね。主人公はお馬鹿キャラで、秘書(キャメロン・ディアス)にヒーローの行動を予想させ、その通りに行動するんです。オリジナルをちゃかすことによって、新味を出そうとしたのでしょうが、中途半端で今イチ!
グリーン・ホーネット』は、戦前のラジオドラマの人気ヒーローで、1966年にテレビドラマ化(日本では1967年に日本テレビ系列で放送)されましたが、『バットマン』の二番煎じという感じが強く、全26話で放送中止となった不人気作品でした。しかし、その後70年代に入ってブルース・リー人気が高まり、カトー役で出演していたことから注目され、カルト的人気が出てきたんですね。テレビでは助手にすぎなかったカトーが、この映画ではスーパーカー“ブラック・ビューティー”や“ホーネット・ガス銃”の発明家になっており、主役以上のヒーローにしたのは、ブルース・リーの影響でしょう。グリーン・ホーネットの武器である“ホーネット・ガス銃”は、「どんな悪人でも殺さない」という、古き良き時代の正義のシンボルでしたが、映画では飾りにすぎませ〜ん。
画像は、1967年に放送されたテレビ版『グリーン・ホーネット』のブリット(バン・ウィリアムス)とカトー(ブルース・リー
録画していた『新・座頭市(第1シリーズ)』の22話〜23話を観る。第22話「浪人子守旅」(監督:太田昭和、脚本:東條正年)は、子連れの侍(財津一郎)と道連れになった市に、駆落ちした百姓の若者(江木俊夫栗田ひろみ)が絡む物語ね。子連れ狼のパロディが出てきたり、ユーモアあふれる一編でした。
第23話「幽霊が市を招いた」(監督:黒木和雄、脚本:中村努)は、ケンカしながらも親友となったヤクザ(原田芳雄)との友情物語。原田芳雄は自分の女房の刺青を背中に彫っているんですが、闇討ちされて背中の刺青(江波杏子)が幽霊となって市を招くんですな。原田芳雄とカツシンの会話は、まるで漫才でした。