子どもだって喜ばない

nostalji2012-02-09

録画保存していた『東海道お化け道中』(1969年・大映/監督:安田公義・黒田義之)を観る。人を殺したら祟るという鬼塚で勘蔵(山路義人)一家が、相手ヤクザの親分を闇討ちし、止めようとした塚守(左卜全)まで殺すんですな。塚守の孫娘お美代(古城内昌美)は親子のしるしであるサイコロを持って父親に会いに東海道を行きますが、勘蔵一家が凶行を目撃したお美代を追います。お美代は、馬子の新太(穂積ペペ)やヤクザの百太郎(本郷功次郎)に助けられて父がいるという宿場へ。
お美代が危うくなったら妖怪が助けてくれ、勘蔵一家は妖怪に苦しめられ、最後は百太郎に親分の仇討をされるという、お子さま向け映画です。監督が二人ですが、『妖怪百物語』を監督した黒田義之が妖怪シーンだけを担当し、メインのドラマ部分は安田公義じゃないかな。物語がお粗末なうえ、妖怪もチーピーで、現在の観賞に耐えるものではありませ〜ん。
録画していた『新・座頭市(第1シリーズ)』の第24話『大利根の春はゆく』(監督:森一生、脚本:新藤兼人)を観る。チンピラ(なべおさみ)との博打に勝った市は、博打の肩として押しかけてきたチンピラの女房(丘みつ子)と旅することになります。故郷の寺でヤクザの用心棒をしている肺病やみの浪人(夏八木勲)と会い旧交を温めますが、チンピラがヤクザに市のことを告げたことから、市を殺して名を上げようとするヤクザのために浪人と対決することに。夏八木勲との友情と対決は、『座頭市物語』における天知茂との対決に似ていて、趣があってグッド。脚本が優れているせいか、物語も面白いものとなっていました。