文句なしに面白い

nostalji2012-02-29

西部劇ビデオの『インディアン狩り』(1967年/監督:シドニー・ポラック)を観る。猟師のジョー・バスは収穫した毛皮を運ぶ途中でカイオワ族と出会い、毛皮を黒人のリー(オシー・デービス)と無理やり交換させられるんですな。毛皮を取り返すべくカイオワ族を追いますが、ハウイー(テリー・サバラス)率いるインディアン狩り(インディアンの頭皮を剥いで賞金を稼ぐ)の無法者集団がカイオワ族を襲撃し、バスの毛皮も持ち去ります。今度はハウイー一味を追いかけることになるのね。一味との毛皮奪還の攻防が見せ場なんですが、教養のある黒人と文盲で粗野な猟師という好対照の二人が反発しあいながら友情で結ばれていくというテーマも持っています。
シドニー・ポラックは、現在では社会派監督として有名ですが、この作品は映画監督としては初期のもので、まるで畑ちがいのユーモアあふれる西部劇にしています。ハウイーの情婦役のシェリー・ウィンタースが見事なコメディ・リリーフを見せ、黒人差別も重々しいものにせず、コミカルなものにしています。殴り合って真の友情が結ばれるという西部劇の約束事に加えて、殴り合いでバスとリーの顔が泥だらけになって白も黒も見分けがつかなくなる演出は巧いですね。バスが単身でハウイー一味に奇襲をかけたり、岩かげに隠れたバスが近づいてくる敵を一人ずつ倒していくアクション演出の切れ味も鋭く、ポラックにはもっと西部劇を作って欲しかったなァ。
それと、銃器にも気をつかっていますね。ランカスターが持っているのは、西部劇定番のコルトSAAでなく、オクタゴン・バレルのアーミーね。遠い敵には射程の長いヘンリー・ライフル、近い敵にはリボルビング・ライフルと、ライフルの使い分けもしており、1960年代のハリウッド西部劇にしては珍しいで〜す。