昨日の関連で

nostalji2012-04-22

ビデオで『多羅尾伴内・鬼面村の惨劇』(1978年・東映/監督:山口和彦)を観る。片岡千恵蔵の往年の人気シリーズ“七つの顔の男”を小林旭で復活させたシリーズ2作目です。ところが客が入らず、この作品でポシャリました。
信州の山林長者・雨宮剛三(渥美国泰)の次女が結婚式前日に真赤に塗られた鬼面がくくりつけられて殺されるんですな。続いて三女も同様に宙吊り死体で発見されます。現場に落ちていた絵筆から、顔面に火傷のある画家・日向(松橋登)の犯行が有力視され、捜査にあたった宇田川警部(財津一郎)は、20年ぶりに実家に帰ってきた長女の千尋鈴鹿景子)が財産相続を狙って日向と共謀したんじゃないかと疑うのね。剛三は雨宮家の跡取り娘だった千尋の母と結婚して雨宮家を相続しており、千尋の母は25年前に水車小屋で殺されているんですよ。通り魔の犯行とされ、その犯人は捕まっていません。鬼面村にやってきた多羅尾伴内小林旭)は、母親の死に疑惑を持っていた千尋と真相解明に乗り出します。
「ある時は、女子校の用務員。ある時は、貧乏絵描き。またある時は、流れ者の木こり。ある時は、片目の運転手。ある時は、水車小屋の婆々。またある時は、しがない私立探偵・多羅尾伴内。しかして、その実体は、正義と真実の使途、藤村大造だァ!」の決めセリフの後、悪党(菅貫太郎・内田朝雄・土方弘・石橋雅史)相手に二挺拳銃が轟然と火を吹いて事件解決ね。千尋の母と日向の父は愛しあっていて、嫉妬した剛三が悪党たちを使って二人を殺したんです。剛三の妻の北林早苗と菅貫太郎は愛人関係で、四女は二人の子。悪党たちは雨宮家の財産を奪うために、邪魔な人物を次々に殺していき、千尋危うしというところに“七つの顔の男”が現れるのです。
荒唐無稽のバカバカしい話をてらいもなく演じるアキラに全然違和感がなく、私好みの映画ですが、公開当時はアナクロすぎて受けなかったのでしょう。邦画全体が斜陽だったしね。“七つの顔の男”は、復活して欲しいキャラなんですが、できる役者がいないなァ。