お白洲はなかったが

nostalji2012-04-23

録画していた『たつまき奉行』(1959年・東映/監督:マキノ雅弘)を観る。“七つの顔の男”と並ぶ片岡千恵蔵の十八番“遠山の金さん”です。佐渡から江戸へ運ばれる御用金を積んだ船が大竜巻で沈んだという報告を受けた遠山の金さん(片岡千恵蔵)が大目付の内命を受けて佐渡に向かいます。佐渡奉行山村聡)は金さんの友人ですが、密偵の報告により佐渡金山には不審な点があるので、金さんが乗り込むのね。金山の調査に行って行方不明となった南町奉行所寄奇の娘・美鈴(佐久間良子)と同心・渡会三四郎東千代之介)の隠密行動、佐渡奉行所役人(加賀邦男)と豪商・杉戸屋(月形龍之介)の関係、杉戸屋が経営する居酒屋で働く女(喜多川千鶴)とそこにたむろする無法者の鉱夫(進藤英太郎)といった主要人物が最初の30分で手際よく描かれています。御用金の小判を見つけた砂金採り(多々良純)が殺され、船が海賊に襲われたことがわかるのね。探っていた美鈴が犯人一味に捕まり、金さんも犯人一味に襲われますが、次々に証拠を残し、金山祭りの日に悪党たちは御用となるのです。沈んだ船の船頭が生きていたり(それで海賊の正体がわかります)、無法者の鉱夫が金さんの密偵(いつもは悪役の進藤英太郎と阿部九州男なので効果的)だったりして、ご都合主義的なところはあるのですが、娯楽時代劇のツボを押さえたマキノ雅弘の演出には満足できま〜す。
『隠密剣士(第八部:忍法まぼろし衆)』の最終回「甲賀五遁陣」とスペシャル「忍者物語」を観る。最終回は、目的を達するために斬った鬼火伝斎(小林重四郎)の口から変装していた甲賀の金剛(天津敏)の正体がばれ、暗闇の御大老の正体もばれるのね。金剛は秋草新太郎(大瀬康一)に斬られて水中へ。だけど死んでおらず、第九部(傀儡忍法帖)でも登場します。
「忍者物語」は、忍者の解説を兼ねた霧の遁兵衛(牧冬吉)の物語です。秋草新太郎以上に遁兵衛の人気が出てきたんですよねェ。