深みがない

nostalji2012-04-24

録画していた『半次郎』(2010年/監督:五十嵐匠)を観る。貧しい下級武士から明治維新の陸軍少将になり、西郷隆盛と一緒に下野して西南戦争で死んだ中村半次郎の物語です。主演の榎木孝明が企画したものだけに演技に熱が入っていますが、脚本が悪いのか、物語に深みがなく熱意が伝わってきません。西郷隆盛(田中正次)を師事し、幕末動乱期に“人斬り”と呼ばれながら、その行動哲学で人望を集めた人間性が希薄なんですよ。後半の西南戦争に時間をかけるより、幕末期の親友の永山弥一郎(AKIRA)との友情、蛤御門の合戦前の敵対関係にあった長州・鮎川小次郎との交流、村田さと(白石美帆)とのラブロマンスを深く描いた方がよかったと思いますね。A級スターの出演はなくても、面白くなったと思うのに残念。
画像は、田中正次と榎木孝明。田中正次という俳優を私は知らないのですが、西郷隆盛に風貌が似ていました。本来重要な役回りなのに、出演シーンは少なく、セリフも少なかったのは、風貌だけでのキャスティングの所為ですかねェ。