反ファシズム

nostalji2012-05-31

録画していた『人生劇場・続飛車角』(1963年・東映/監督:沢島忠)を観る。宮川を殺した奈良平に向かっていくところで前作はエンドとなったんですが、刑務所に入っていた飛車角(鶴田浩二)が出獄するところから始まります。おとよ(佐久間良子)はテキヤ桔梗屋一家の世話になっていましたが、飛車角に逢うことなく別れ、満州に去ります。堂本(東野英治郎)一家によって縄張りを荒らされた桔梗一家の恩義に報いるため飛車角は堂本を刺し、親分衆が集まる新年会に乗り込みます。堂本は飛車角の侠気に惚れ、かねてから飛車角に惹かれていた堂本の娘お澄(佐久間良子の二役)は、堂本の名代として、桔梗屋が持っていた権利を返します。桔梗一家は建ち直り、いつしか飛車角もおとよに似たお澄に惹かれていくんですな。しかし、吉良常(月形龍之介)から満州にいる青成瓢吉(梅宮辰夫)の知らせでおとよの消息を聞いた飛車角は満州に渡りますが……
結局おとよは満州で病死するんですが、熱に浮かされてうつつに愛を語るおとよと、手を握ってそばで聞いている飛車角、外は降る雪、名シーンです。日本に戻った飛車角はお澄と結婚して一家を成します。御国の名のもとに軍閥と結託したフィクサー平幹二朗)が、満州の飛行場建設に、反日組織からの弾丸よけと満州労働者の酷使の監督をさせるためにヤクザを金で買って連れて行こうとするんですな。飛車角は彼らに反抗し、裏切り者(潮健児が存在感あり)に殺されるんですが、余韻の残るラストでした。画像は、鶴田浩二と子分になるテキヤ長門裕之