夕陽が沈む時

nostalji2012-06-14

録画していた西部劇『悪の花園』(1954年/監督:ヘンリー・ハサウェイ)を観る。ゴールドラッシュに沸くカリフォルニアへ向かう船が故障し、3人の男がメキシコの港町に足止めとなり、金鉱の落盤事故で身動きがとれなくなった夫の救出を求める妻の依頼で、メキシコ人も加わり女1人男4人の旅が始まるんですな。金鉱がある場所はアパッチの土地で……
美しい人妻(スーザン・ヘイワード)を求めに応じた4人の男は、品行方正な元保安官(ゲーリー・クーパー)・詩人を自称するイカサマ賭博師(リチャード・ウィドマーク)・欲望丸出しのチンピラ(キャメロン・ミッチェル)・金鉱目当てのメキシコ人(ビクター・マニュエル・メンドーサ)で、前半は4人の男の確執が描かれます。後半は助け出された嫉妬深い夫(ヒュー・マーロー)が加わり、アパッチに襲撃されて一人ずつ死んでいきます。メキシコロケによる異国色豊かな風景と風物は従来の西部劇にはなかったもので、ロングで捉えたアパッチの追撃シーンも空間的拡がりがあって撮影は素晴らしいのですが、肝心のドラマ部分のサスペンスの盛り上げ方は不足していますね。スター・システムで、クーパーとヘイワードが生き残るのは約束事でも、これだけあからさまだとシラケます。「毎日、誰かをつれて夕陽が沈む。今日は俺の番だ」、ウィドマークが儲け役で〜す。
画像は、日比谷映画劇場のパンフ。1954年10月29日から公開(1日6回上映)されているのですが、当時の入場料は、一般席:210円・指定席:300円・特別指定席:400円となっています。東宝系劇場の案内もあり、『ゴジラ』が11月3日から公開されています。