史実レベルは

nostalji2012-06-18

昨夜は、韓国時代劇『トンイ』の最終回を観る。その前に90分の“トンイの特番”があって、NHKも民放みたいな番組作りをしていますね。来週は7月から始まる『トンイ』の後番組『王女の男』の“直前特番”だしね。
『トンイ』は第21代王・英祖の実母を主人公にした物語で、史実を横に置いてフィクションによる面白さを出していました。賎民の出身ということで、史料があまり残されていないんですな。両班が支配する朝鮮王朝の差別社会においては、王の実母であっても記録に残す必要がなかったんですよ。史料からだと、チャンヒビンの生涯の方がドラマチックです。政争の中心にいましたからね。トンイのフィクション物語にしたことで、敵役のチャンヒビンのエピソードもフィクションになっています。仁顕王妃の廃妃と復活、チャンヒビンの賜死理由は史実とは違ったものでしたね。
朝廷の権力闘争に前回で勝利し、最終回は町で賎民のために尽力するトンイが少女の訴えで無実の奴婢を救う物語です。“水戸黄門”や“暴れん坊将軍”に近い物語ね。日本の時代劇では腐敗が個人レベルなのに対して、韓国時代劇では官僚全体に及んでいます。いくら王様が魅力的でも、社会的な病巣の拡がりは朝鮮王朝の政治が酷かったことになるので〜す。