A級西部劇だが

nostalji2012-06-28

録画していた西部劇『ガン・ファイター』(1961年/監督:ロバート・オルドリッチ)を観る。お尋ね者のカーク・ダグラスが昔の恋人ドロシー・マローンを訪ねてメキシコにやって来るところから物語は始まります。ダグラスに妹の亭主を殺された保安官のロック・ハドソンがダグラスを追って来るのね。冒頭のロングで撮らえた風景描写は本格西部劇の魅力にあふれています。
マローンは南部の退役軍人で飲んだくれのジョゼフ・コットンと結婚していますが、ダグラスはマローンと縁りを戻そう考えているんですな。コットンは1千頭の牧場の牛をテキサスに運ぶためにダグラスを雇います。ダグラスを追って牧場に現れたハドソンもマローンに惹かれ、ダグラス逮捕はテキサスに着いてからということで、牛追いの旅に加わります。旅の途中でコットンが南軍敗残兵に絡まれて殺され、マローンをはさんでダグラスとハドソンの恋のつばぜり合い、それにダグラスを慕うマローンの娘キャロル・リンレーが加わって、キャトルドライブという男の世界が変な方向に向かいはじめるんですよ。ドルトン・トラムボの脚本なので、普通の西部劇にはならないんですけどね。インディアンの出現も銃撃戦にならず、マローンとリンレーをさらって逃げるネビル・ブランドたち3人の無法者をダグラスとハドソンが追撃するアクションだけというのは寂しいです。
キャトルドライブが終わって、マローンはハドソンを好きになり、ふられたダグラスはリンレーと新しい生活を考えるんですが、マローンからリンレーが自分の娘と告げられ、大ショックね。逮捕に来たハドソンと決闘になりますが、結果が予想されるので緊張感がありません。ダグラスとハドソンの最初の対立では太陽の位置にこだわって緊迫感を出していましたが、ラストの決闘では原題(Last Sunset)が活かされておらず、二人の影なんか無頓着です。A級のスタッフ・キャストですが、竜頭蛇尾の内容で、出来は今イチで〜す。