見せ場はラストだけ

nostalji2012-07-04

録画していたマカロニ西部劇『続・荒野の1ドル銀貨』(1966年/監督:デュチオ・テッサリ)を観る。南北戦争が終わり故郷の町に主人公(ジュリアーノ・ジェンマ)が帰ってくるのですが、町はメキシコ人の無法者に支配され、主人公の屋敷もボスのエステバン(フェルナンド・サンチョ)とパコ(ジョージ・マーティン)に乗っ取られているんですな。妻(ロレッラ・デ・ルーカ)はパコから結婚を迫られています。主人公は髪と肌を薬草で染めてメキシコ人に変装して町に潜入します。屋敷を探っていて、エステバンに見つかり、パコに右手をナイフで刺され、左手で銃の練習をするのね。でもって、保安官たち町の住民を説得し、妻とパコの結婚式の日に銃を持って立ち上がるのです。
前半はむさくるしいメキシコ人の姿で悪党たちの横暴に耐えているだけのジェンマでしたが、左手射撃をマスターし、軍服姿に身なりを整えての殴り込みは、モリコーネの音楽が重なり、ジェンマは凛々しさにあふれています。ダメ男から一転してヒーローね。この展開が唐突なのは、ジェンマのカッコ良さを際立たせる演出として許しましょう。『荒野の1ドル銀貨』→『南から来た用心棒』に続く、ジェンマの日本公開マカロニ3作目で、ジェンマの人気が不動のものとなりました。
ちなみに、この作品はギリシャ神話の“ユリシーズの帰還”から着想を得ているようで〜す。