最後の集団時代劇

nostalji2012-07-15

録画していた『十一人の侍』(1967年・東映/監督:工藤栄一)を観る。将軍の弟にあたる暴虐な館林藩主・斉厚(菅貫太郎)に忍藩主が殺されるんですな。忍藩の家老・榊原帯刀(南原宏治)が幕府に訴えますが、老中・水野越前(佐藤慶)は忍藩主に非があったとして、逆に忍藩取潰しを画策します。帯刀は幕府裁決の抗議のため、旧友である藩士の仙石隼人(夏八木勲)に斉厚暗殺を命じます。隼人は復讐を誓っていた三田村建四郎(里見浩太朗)たちと脱藩し、斉厚暗殺の計画を練ります。忍藩士の脱藩を知ったのは館林藩の家老・秋吉刑部(大友柳太朗)は、忍藩の暗殺隊を予知して策をこうじますが……
十三人の刺客』のヒットで東映は集団時代劇路線を歩みますが、この作品の頃には任侠路線がメインになっていました。原点復帰ということで、少人数で多勢に警護された気狂い藩主を暗殺という『十三人の刺客』と同じプロットですが、暗殺に至るまでの物語に深みがありません。ラストの11人対50人のチャンバラが、場当たり的な計画で、ただチャンバラを見せるだけになっています。『十三人の刺客』以上の内容を持ったものでないと時代劇で客を呼び返すには無理だったでしょうね。だけど、大友と夏八木のチャンバラは見応えがありま〜す。
本日は、朝から「西部劇研究会」に出かけるので、早々に日記をアップ。「西部劇研究会」といっても、西部劇好きが集まって、ワイワイガヤガヤやるだけなんですけどね。