欠陥リメイク

nostalji2012-07-23

録画していた『次郎長三国志・殴り込み甲州路』(1965年・東映/監督:マキノ雅弘)を観る。猿屋の勘助(天津敏)に捕まった投げ節お仲(安城百合子)を救出するために甲州に向かった次郎長一家の援軍に江尻の大熊(山本麟一)がお蝶(佐久間良子)を伴って駆けつけます。次郎長一家は勘助を倒しますが、お蝶を連れての兇状旅となるんですな。お蝶は病に倒れ、力士時代に救ってやった八尾ヶ岳、今はヤクザとなった保下田の久六(遠藤辰雄)のところへ身を寄せますが、久六は二足ワラジで、次郎長を裏切り、代官と結託して次郎長を捕まえようとします。小松村の七五郎(待田京介)のおかげで難を逃れた次郎長一家は七五郎の家に厄介になりますが、お蝶は病死し、憎き久六を叩き斬ってシリーズ終了です。
オリジナルの1話「次郎長売出す」と2話「次郎長初旅」が第一部、3話「次郎長と石松」が第二部、4話「勢揃い清水港」と5話「殴込み甲州路」の前半が第三部、5話「殴込み甲州路」の後半と6話「旅がらす次郎長一家」が本作品で、オリジナルは以後、7話「初祝い清水港」、8話「海道一の暴れん坊」、9話「荒神山」と続きます。監督自らがリメイクしており、シリーズ個々ついてはオリジナルよりストーリーが整理されていてテンポが良いんですが、本作品でキャストを大幅に変えたことで、シリーズ作品としては不満が残ります。大政が中村竹弥から大木実に戻ったのは是ですが、お仲が丘さとみから安城百合子へ、関東綱五郎が松方弘樹から曽根晴美へ、増川仙右衛門が津川雅彦から矢野圭二へ、大熊が水島道太郎から山本麟一へとマイナーチェンジです。オリジナルの魅力は役者たちの一体感にあったのですが、このシリーズでは最後でガタガタね。当初から四部作で製作する予定だったシリーズとのことで、オリジナルのようにキャストは固定して欲しかったで〜す。