リメイクして欲しい

nostalji2012-09-02

録画保存していた『里見八犬伝(三部作)』(1959年・東映/監督:打出好吉)を観る。安房の国・滝田城主の里見義実(原健策)は家臣の金腕大輔(加賀邦男)と狩りの途中で、大蛇に襲われている子犬を助けます。その子犬は八房と名づけられ、たくましく成長し、関東管領扇谷定正(阿部九州男)の配下・蟇田権守(吉田義夫)が攻めてきた時に大活躍。魔女・白比丘(赤木春恵)は大蛇の化身で義実に怨みをもっており、大鷲を操って義実の生まれたばかりの姫をさらいます。そして定正に味方し、大蛇に変身して義実を襲いますが、八房によって倒されます。八房も白比丘との死闘によって精魂つきて空中に四散、「20年後に里見の危難を救う」という天の声と共に、体内から“仁義礼智信忠孝悌”の八個の宝珠が飛び出るんですな。それから20年後、義実が病死し、定正は再び里見攻略を企てます。少年城主・義通(目黒祐樹)を守るために大輔は八犬士を捜す旅へ。その1人・犬塚信乃(伏見扇太郎)は、宝剣・村雨丸を持って古河・足利御所を訪ねますが偽物だった為に敵の間者と間違われ、足利家の家臣・犬飼現八(尾上鯉之助)と芳竜閣で対決。信乃の恋人・浜路(中里阿津子)の養父が浜路を代官の側妾にするために刀をすり替えたのね。その事を知った浜路は村雨丸を持って信乃を追いますが、養父に村雨丸を奪われ崖下に転落します。村雨丸は、そこへ通りかかった犬山道節(里見浩太郎)が養父を斬って取り戻しますが、浜路は犬川荘助(高島新太郎)に助けられるものの代官所の追手に囲まれ……第二部「妖怪の乱舞」へ。
信乃と現八は取っ組み合ったまま利根川に落ち、犬田小文吾(山手宏太郎)に救われます。三人は、持っていた宝珠から義兄弟の契りを結びます。そして、彼らを捜していた大輔から里見の八犬士であることを知らされます。足利家の追手が迫り、大輔と別れた三人は化猫の赤岩一角(清川荘司)退治を通じて犬村大角(南郷京之助)と知り合います。一方、代官所の追手に囲まれた浜路と荘助は道節に助けられ、道節は村雨丸を浜路に渡します。蟇田城下に来た三人は、娘田楽一座に絡んでいる浪人たちと戦っている犬江親兵衛(大里健太郎)の懐から転げ出た宝珠を見て、親兵衛を助けます。娘田楽一座の犬坂毛野(沢村精四郎)は蟇田権守を父の仇として狙っており、荘助と親兵衛は女装した毛野に味方して蟇田城に潜入しますが、あと一歩のところで権守を逃がしてしまいます。信乃たちと別れて八犬士を捜していた大輔は彼らと出逢い、浜路が持っていた守袋から大鷲にさらわれた里見の姫であることに気づきます。そして、八犬士が集結することになり……第三部「八剣士の凱歌」へ
魔女・青比丘(松風利栄子)は白比丘の娘で里見家に怨みを持っており、半蛇人を使って浜路を襲いますが、信乃の村雨丸の前に敗れます。定正の軍も八犬士の前に敗れ、青比丘と定正は和睦と偽って義通を捕らえます。義通救出のために定正の居城に乗り込んだ八犬士は、権守や定正を打ち破り、巨大オロチとなった青比丘に宝珠を投げて倒し、メデタシ、メデタシ。
夏休みの子ども向けに作られた作品で、一部が8月11日、二部が19日、三部が26日に公開されています。連続活劇形式の東映の子ども向け時代劇は、1954年の『笛吹童子』に始まり、61年の『黄金孔雀城』で最後となるのですが、ドル箱路線もこの頃にはテレビに押されて苦しくなっており、この作品はかなり力を入れているのがわかります。それまでの子ども向け映画といえばモノクロ・スタンダードだったのが、この作品は総天然色・シネマスコープですからね。現在から見れば稚拙な特撮ですが、妖術合戦(青比丘の火を吹く大蛇に対して道節の水を吐く大蝦蟇)や乱舞する妖怪(怪猫、半蛇人、お化け蝙蝠)にはワクワクしますよ。子ども対象ということで、伏姫は登場せず、八房は単なる忠犬になっており、玉梓の怨霊も魔女に変えて単純にしていますが、結束信二の脚本は上出来です。最新CGを活用してリメイクしたら、面白いものができるんじゃないかなァ。画像は、青比丘(松風利栄子)と里見義通(目黒祐樹