恨の世界

nostalji2012-10-09

韓国ドラマ『名家の娘ソヒ(全52回)』の最終回を観る。朝鮮王朝末期の1905年頃から日韓併合を経て日本が敗戦する1945年までの時代を背景に、幼い頃に両親を亡くし天涯孤独となったヒロインが過酷な運命に負けることなく、家門と愛を守る物語です。
ヒロインのチェ・ソヒ(キム・ヒョンジュ)は名門大地主の家に生まれますが、母が下男(実は父の異父弟)と駆け落ちし、父もチェ家の財産を狙う貧乏両班に殺されます。祖母と下男のギルサン(ユ・ジュンサン)に見守られ成長しますが、祖母が死に、強欲な親戚夫婦に土地を奪われるんですな。韓国時代劇ではお馴染みのキム・ガプスとト・ジウォン(『女人天下』の敬嬪役で存在感をしめした女優)の憎らしいこと。
ソヒとギルサンは満州に行って事業に成功し、二人は結婚します。しかし、ソヒは親戚夫婦に復讐するために朝鮮に帰国し、ギルサンは抗日活動のために満州に残ります。土地は取り戻しますが、日本支配下の時代にあってギルサンが警察に拘束されたりして安息な日は訪れず、日本の敗戦によって、やっと平和な日が訪れるのです。
日本支配下といっても、戦争末期の頃は別として農民や庶民は意外と自由に暮らしていますね。身分差別の酷かった朝鮮王朝時代より日本統治下の方が庶民にとっては良かったような気がしますよ。下男と結婚したヒロインというのも、朝鮮王朝時代では絶対許されるものじゃなかったですからね。
原作はベストセラーになった大河小説で、登場人物がやたらと多く、周辺人物の親子関係なんか、こんがらかりましたよ。子どもから大人になった時に俳優が変わるので余計にね。韓国時代劇の馴染みの顔が揃っていましたが、ソヒとギルサンを執念深くつけ狙うキム・ドゥス役のユ・ヘジンは初めての顔でした。邦画に出てくる朝鮮人そのまんまという顔は、一度見たら忘れられない顔ね。
キム・ドゥスはソヒの父親を殺した両班(ユ・ヘジンの二役)の息子なんですが、捕まって処刑されたことを逆恨みする性格の悪い奴で、彼に限らず登場人物は性格の悪い奴と好い奴の両極端で描かれています。性格の悪い奴は理屈にならない恨みを抱いているのね。結局、恨みや欲だけでは悲しい人生を送ることになるので〜す。