比較しながら観る

nostalji2012-12-04

録画したままだった西部劇『シマロン』(1961年/監督:アンソニー・マン)を観る。昨日観た、1931年版『シマロン』をカラー・ワイド化したリメイクです。女流作家エドナ・ファーバーの小説が原作だから再映画化というべきかな。
前作とは部分的に違っているところが多々あり、ラストのヤンシーの死は石油爆発の犠牲でなく、第一次世界大戦に従軍しての戦死になっていました。セイブラ(マリア・シェル)が両親の反対を押しきってヤンシー(グレン・フォード)とオクラホマに出発するところから始まり、息子のシムは生まれおらず、下僕の黒人少年も登場しません。息子のシムが生まれるのは新聞社を始めて1年後ね。前作では娘も生まれるのですが、この作品では子どもは息子だけです。
町の発展などの映像表現は前作の方が優れていますが、ランドラッシュのシーンはワイド画面を活かした見応えのあるものになっていましたね。主人公をめぐる周辺人物も前作より肉付けされています。特にデキシー・リー(アン・バクスター)とキッド(ラス・タンブリン)は、前作と比べて重要な役どころとなっていました。主演のグレン・フォードは、リチャード・ディックスと比べると存在感が弱いですね。マリア・シェルは好演。