厚みがない

nostalji2013-01-03

昨夜は、テレビ東京の新春時代劇『白虎隊』を観る。北大路欣也の演技で西郷頼母の人間的魅力は出ていましたが、ドラマ全体は焦点が絞れておらず薄っぺらい内容でした。歴史的事象を登場人物のセリフで説明するという安易な方法は、ジェームス三木の脚本にしてはお粗末でしたね。中沢鉄之助(渡辺大)と土方歳三岸谷五朗)の友情関係がうまく描けておらず、歳三の眉寿子(国仲涼子)への愛が唐突な感じだし、会津士魂とでもいうべき西郷頼母一家の自決も事前に伏線となるエピソードがなくピンときません。白虎隊にいたってはオザナリで、悲劇性がまるで伝わってこないんですよ。中途半端な史実より、フィクション満載のドラマで盛り上げて欲しかったです。
ビデオに録画保存していたテレビ時代劇『剣』の第28話「縄張」(監督:加藤泰、脚本:野上龍雄)を観る。江戸の町に戻ってきたヤクザと彼を待っていた女房の物語です。刀の持ち人は、ヤクザの幸吉(緒形拳)ね。3年ぶりに江戸に帰ってきた幸吉は、幸吉に親分を殺された神明一家に狙われているんですな。幸吉の女房(河村有紀)は、幸吉を堅気にして他の土地で暮らそうと考えていますが、幸吉は神明一家の縄張りを奪って成り上がろうとしています。幸吉は神明一家と縄張りを接する伊三郎一家に力を借りようとしますが、結局裏切られ、女房の願いもむなしく死んでいくのです。1時間のドラマの方が7時間の新春時代劇より中身が濃かったで〜す。