何が目的のDVD化

nostalji2013-01-15

西部劇DVDの『不死身の保安官』(1959年/監督:ラオール・ウォルシュ)を観る。銃を売るなら必要としているところにかぎると、イギリスの銃器製造会社のジョナサン(ケネス・モア)がアメリカ西部にやって来るんですな。駅馬車に乗っているとインディアンが襲撃してきますが、何も知らないジョナサンは一人で酋長に会いに行って仲よくなります。駅馬車の着いた町で彼は英雄として迎えられ、ケイト(ジェーン・マンスフィールド)が経営するホテル兼酒場で舞台の踊り子たちにちょっかい出そうとする荒くれ男を偶然取り押さえたことから保安官にされてしまいます。ケイトとは恋仲になるものの、町は危険がイッパイ……
西部のことなど何も知らないイギリス紳士が偶然から英雄になるのは、何度も繰り返されているコメディ西部劇のパターンね。主人公を助けるのが男勝りの女性というのもね。それに、アメリカ田舎者とイギリス都会人という文化的ギャップの笑いが加わっています。アクション面に関してはラオール・ウォルシュらしい演出を見せていますが、内容的には定番的パロディで特段優れたものではありません。
それにしてもこの映画、何でDVD化したのだろう。隠れた名作でもないし、映画史的にも新基軸はありません。西部劇ファンにとってラオール・ウォルシュは西部劇監督として注目すべき存在ですが、コメディは場違いで、この作品が他の作品に繋がっているわけでもないしね。主演のケネス・モアは味わいある役者ですが、彼を見たいなんてファンがいるとは思えません。となると、ジェーン・マンスフィールドかなァ。だけど、この作品では歌って踊るシーン(歌は主題歌を歌っているコニー・フランシスの吹替え)はあるものの、評判のグラマラスな姿態はほんの少し見せるだけですからね。彼女をウリにするなら、もっと他に適した作品がありそうなもので〜す。