“鬼平”続きで

nostalji2013-01-19

録画していた『鬼平外伝・正月四日の客』を観る。“鬼平外伝”シリーズ第3弾です。鬼平の名は出てきますが、鬼平は登場しないので外伝ね。時代劇専門チャンネルが製作しており、単発でも継続して時代劇を製作してくれるのは嬉しいです。
毎年、本所枕橋にある蕎麦屋さなだ屋では、正月四日には辛子大根を使った真田そばしか出さないのね。辛すぎて常連客は立ち寄らないこの日に、真田そばを好んで必ずやって来る客がいるんですな。その客(松平健)と亭主(柄本明)の正月四日にだけ会う不思議な交流が数年続きます。しかし、その客が亀の小五郎という盗賊と知った亭主は……
正月四日と真田そばに秘められた二人の過去が人情味豊かに描かれています。柄本明が巧いなァ。原作は「鬼平犯科帳」とは関係ない「にっぽん怪盗伝」の一編ですが、中村吉右衛門の“鬼平”シリーズにもありましたね。その時は、亭主でなく女将にして、山田五十鈴が好演していました。
無声時代劇DVDの『水戸黄門漫遊記』(1928年/監督:池田富保)を観る。黄門一行が高松城下にやってきます。藩主の讃岐守は黄門(山本嘉一)さんの息子ね。藩主の巡察ということで街道での商売が禁じられていますが、女房が病気で薬代を稼ぐために客引きしていた馬子が藩士に見つかり痛めつけられているのを黄門さんが助けます。藩主の行列が通りかかった時に、黄門さんはわざと病気のふりをして道に倒れます。無礼討ちにしようとする藩士たちを、助さん・格さんが投げ飛ばしますが、黄門さんはおとなしく縛られて藩主の前に。顔を見て驚いた藩主に、「民は国の宝」ということを諭して、メデタシ、メデタシです。わずか16分の短編映画ね。無声時代劇には数多くの連続物が製作されていますが、これもその一つじゃないかなァ。