バンツマ二本

nostalji2013-01-22

阪東妻三郎が出演している無声時代劇DVDの『小雀峠』と『影法師』を観る。
『小雀峠』(1923年/監督:沼田紅緑)は、父を捜す心優しい飴売りの少年の物語です。母を亡くした徳太郎(市川小蝦)は、小雀峠の茶屋で母から教わった飴売りの唄が歌い、飴を売りながら父を捜しています。父は大身の旗本の息子だったことから、徳太郎の母は身分違いで自ら去って行ったのね。徳太郎は心根が優しく誰からも愛されていて、金を盗もうとした無法者(高木新平)も改心して徳太郎と一緒に旅をします。悪旗本(阪東妻三郎)が無理やり相手をさせようとしていた商家の娘(森静子)を悪旗本の顔に飴を投げつけて救い娘の家へ。商家に訪ねてきた旗本が徳太郎の唄を聞いて、自分の息子と気づき父子対面ね。バンツマが映画デビューした年の作品で、悪役のバンツマを初めて見ました。
『影法師』(1925年/監督:二川文太郎)は、権力に立ち向かう盗賊剣士・影法師の物語です。町人に乱暴する無法な侍を鉄扇で打ち据える深編笠の侍、影法師(阪東妻三郎)の登場ね。真人間になっている前科者に嫌がらせをする岡っ引きを懲らしめたり、悪どい高利貸しをしている旗本から証文を奪ったりと、弱者を救う大活躍。しかし、奉行所は江戸を騒がす怪賊として追っているのね。道に倒れていたお栄(牧野輝子)を助けた影法師はお栄に惹かれ恋するようになりますが、お栄には夫(月形龍之介)がいます。お栄の夫が奉行所に影法師の居所を密告し、影法師は捕り方相手に大立ち回り。剣戟王バンツマ見せ場のチャンバラとなるので〜す。