未見の資料用映画

nostalji2013-01-27

無声時代劇DVDを観た関係で、映画史関係の本に目を通す。欧米にはなかった日本映画の特異な文化として弁士があります。映画の内容説明や俳優のセリフの代弁をしたりする無声映画には欠くべからざる存在でした。徳川無声のような人気弁士になると、映画の内容より彼の語りを目的に客は劇場に足を運びました。今回観た一連の無声時代劇DVDには弁士がついておらず、物足りませんでしたね。実際、字幕だけでは本来の面白さは引き出せていないと思います。1枚当たり200円なので、弁士なしも仕方ないか。
映画史といえば、来月は日本で最初のトーキー『マダムと女房』がBSプレミアムで11日(月)に、ジョルジュ・メリエスの世界最初のSF映画『月世界旅行』とメリエスの成功と挫折の人生を追うドキュメンタリー『メリエスの素晴らしき映画魔術』がWOWOWで23日(土)に放送されます。
ビデオに録画保存していたテレビ時代劇『剣』の第38話「喧嘩安兵衛」(監督:小野田基幹、脚本:国弘威雄)を観る。御存じ堀部安兵衛の物語です。刀の持ち人は中山安兵衛(新克利)ね。叔父を頼って江戸にきた安兵衛は喧嘩をして仕官をふいにしてしまいます。瓦版屋の源次郎(名古屋章)が、おもしろおかしく安兵衛のことを書くものだから、叔父に誤解され、仕官の道は遠のくばかり。叔父からの手紙をいつもの小言と思って酔っぱらって寝て、手紙を読んで慌てて高田の馬場へ馳せ参じるお馴染みのクライマックスへ。瓦版屋が大々的に安兵衛のことを記事にしなかったら、高田の馬場の活躍も江戸中には広まらなかっただろうという、捻ったオチになっていま〜す。