スター主義の悪弊か

nostalji2013-02-12

西部劇DVDの『流血の谷』(1950年/監督:アンソニー・マン)を観る。南北戦争が終わり、北軍の英雄だったインディアンのランス(ロバート・テイラー)が故郷に帰ってきます。彼は白人と仲良く暮らせると思っていましたが、露骨な差別を受けるんですな。白人たちはホームステッド法により土地の権利を取得しますが、インディアンには法の適用が認められず、インディアン嫌いの弁護士(ルイス・カルハーン)に煽られた入植者との間で争いが発生します。妥協するように懇願する女性弁護士(ポーラ・レイモンド)の提案を拒絶し、ランスは土地を守るために最後まで戦うのね。
先祖伝来の土地を白人に奪われるインディアンの悲劇を描いた異色西部劇で、日本で公開されたのは10年後の1960年でした。アンソニー・マン知名度アップと平凡な西部劇に飽きたファンが増えたこともあるかな。野心的な作品にもかかわらず、主演がロバート・テイラーで、本人は悲劇のインディアンをカッコ良く演じて気分はいいでしょうが、観ている方はシラケま〜す。