未見だったので

nostalji2013-03-05

網走番外地・北海篇』(1965年・東映/監督:石井輝男)を観る。橘真一(高倉健)と同房の葉山(千葉真一)は病身で、彼をかばって悪囚人(山本麟一)や悪看守(関山耕司)と対立する序盤の網走刑務所でのエピソードと、出所した橘が葉山の頼みで母親に送る給料がもらえなかった運送屋を訪ね、オンボロトラックで胡散臭い荷物を運ぶ本編のエピソードに分かれていて、面白いのは囚人役の由利徹田中邦衛の個性や、鬼寅役の嵐寛寿郎のカッコ良さが際立つ刑務所エピソードの方ね。
本編の方は、安部徹と藤木孝に頼まれた荷物をオホーツク海側の港町に運ぶ運送エピソードで同乗するのは彼らと運送屋の娘(大原麗子)で、途中で脱獄犯の杉浦直樹やケガをした女の子と母親、心中しそこなった娘を乗せて危険な雪道を行くロードムーヴィになっています。安部と藤木は麻薬密売人で、ラストは健さん大原麗子を殺そうとして大雪原での対決ね。大原麗子を襲って逆に金玉を蹴られてのたうち回る安部徹って、凶暴なのか間抜けなのかわからない可笑しさがあってグッド。この作品はシリーズ4作目で、前3作と違って喜劇的要素の多い作品となっています。健さんも哀愁漂うヒーローでなく二枚目半的ね。全体として、まとまりのない内容で出来は今イチで〜す。