新味なし

nostalji2013-04-13

録画保存していた時代劇映画『大勝負』(1965年・東映/監督:井上梅次)を観る。十手・捕縄を握ったヤクザたちの横暴を抑えるために勘定奉行・堀大和守(大友柳太朗)は、真岡代官・桧垣三右衛門(大坂志郎)に取り締まりを命じます。真岡宿は常吉天王寺虎之助)の一家と虎五郎(多々良純)の一家が牛耳っており、そんな真岡宿に旅人・仙太郎(大川橋蔵)と浪人・海野蛸十郎(片岡千恵蔵)がやって来るんですな。仙太郎は常吉の用心棒に、蛸十郎は虎五郎の用心棒になります。おりしも江戸の旅芸人一座・市村花之丞(高千穂ひづる)がやってきて、芝居小屋での興行と賭場の権利を巡って常吉と虎五郎が対立するのね。三右衛門が常吉から十手・捕縄を取りあげ、虎五郎に渡したことから……
二つの組織をいがみ合わせて両方ともブッ潰すというパターンは、黒沢明の『用心棒』以来ひんぱんに出てくるようになりましたが、これもその一つね。千恵蔵は領内の娘を騙して女郎にしている虎五郎の悪事を暴きにきた長岡藩士、橋蔵は常吉の罠によって失脚させられた前代官の息子、高千穂ひづるは大友柳太朗に頼まれた密偵なんですが、正体が早々にわかり興がそがれます。結局は千恵蔵と橋蔵がヤクザ相手に斬りまくるチャンバラ映画ね。やたらと斬ればいいというものじゃないで〜す。