集団時代劇の面白さ

nostalji2013-04-14

録画していた時代劇映画『集団奉行所破り』(1964年・東映/監督:長谷川安人)を観る。元海賊の悪党たちが、恩人の七回忌法要のために商人からの賄賂を貯めこむ奉行所を襲う計画を立てるんですな。各々の特技(軍師の金子信雄、人斬りの大友柳太朗、スケこましの里見浩太朗、ハッタリ医者の内田良平、色仕掛けの桜町弘子、裏切り同心の佐藤慶など)を活かして行動を開始するんですが、彼らの思惑と異なる事態が発生し……
行き詰まりが出てきた東映時代劇に新風をもたらしたのが若手監督たちの集団時代劇で、この作品もその一つです。長谷川安人は、『十七人の忍者』で東映集団時代劇の先鞭をつけており、この作品でもキレのよい演出をしており、質の良い脚本(小国英雄)や、キャラにあった役者(大友柳太朗にセリフをあまり喋らせず、チャンバラ専門にしたのはグッド)に恵まれて優れた作品に仕上がっています。集団時代劇といえば暗く陰湿なものが多いのですが、明るく軽いタッチなのも気に入りました。これは掘り出し物だ。