新解釈

nostalji2013-04-16

高田崇史:著の『QED・龍馬暗殺』(講談社:2005年1月11日第5刷発行)を読了。高知の山奥の村で起こった殺人事件と、「龍馬暗殺の謎」の解明が並行して描かれる歴史ミステリーです。殺人事件のトリックは如何ってことなし。「龍馬暗殺の謎」は“薩摩藩西郷隆盛)黒幕説”で、これまでにもあったものですが、色々な新解釈をしていて面白かったです。ムリ筋もありますが、暗殺された時に龍馬の右手が不自由だったというのは納得できます。寺田屋で襲撃された時に右手親指の付け根を斬られており、深手だったために後遺症(親指が不自由)が残ったというのですね。そのため暗殺者に気づいても咄嗟に拳銃を撃つこともできず、刀を抜くこともできず、抵抗できずに斬られてしまったのね。龍馬が写真で手を見せていないのは傷口を隠すためだったんだってさ。
名優の三国連太郎(90歳)さんが亡くなる。どんな役にも対応できる受けの演技に凄さがありました。三船版『宮本武蔵』では武蔵に屈折した心情を持つアカンタレの本位伝又八を、錦之助版『宮本武蔵(5部作)』では武蔵を教え諭す沢庵和尚を、『真剣勝負』では打倒武蔵に執念を燃やす野獣のような宍戸梅軒を演じており、同じヒーロー相手に三様の異なったキャラを見せることができた三国さんのような役者はもういないですねェ。