無国籍時代劇

nostalji2013-04-20

録画保存していた時代劇映画『幽霊島の掟』(1961年・東映/監督:佐々木康)を観る。“ガンと剣・恋と唄、橋蔵はじめ豪華スターのアクション時代劇”という惹句にあるように、二組の密輸組織が支配する島に二挺拳銃の浪人(大川橋蔵)がやってきて、悪の組織を壊滅させる西部劇タッチの時代劇です。幕府の威令が届かない幽霊縞は月形龍之介近衛十四郎頭目とする悪党たちが支配しているのね。この島にやって来た橋蔵は近衛の用心棒をしている東千代之介に仲間になるように勧められますが、月形配下の原健策が支配人をしているホテル竜宮閣へ。宿泊客には、密輸の鉄砲・火薬を買いにきた藩士の加賀邦男、謎の中国人の鶴田浩二、中国の歌姫の美空ひばりがいるのね。橋蔵は近衛に捕まっていた幕府役人の徳大寺伸を救いだして、島の健全化を図る若者たちのリーダーの北大路欣也に預けます。月形の息子の松方弘樹は北大路の幼馴染で、北大路の妹の桜町弘子を愛していて、徳大寺を匿いますが月形に見つかり、徳大寺は殺されます。身の危険を感じた月形は近衛と手を組み、加賀との取引のために密輸品をキリシタン城跡へ移すとともに、北大路へ殺し屋の戸上城太郎を差し向けます。それを知った松方は、北大路の救出へ。ひばりの指示で月形を尾行していた丘さとみは城跡に忍び込みますが、悪党たちに見つかります。丘を救った橋蔵の前に悪党たちが立塞がりますが、千代之介が味方し、駆けつけてきた鶴田とひばりも加わって大銃撃戦と大立回りが繰り広げられ、悪党たちは全滅ね。橋蔵は幕府大目付で、鶴田は外国奉行支配下の与力、千代之介は奉行所配下の目明し、鶴田とひばりは兄妹で、丘は鶴田の配下だったのです。
衣装はメチャクチャだし、内容的には考証なんか関係ない能天気なバカバカしい作品なのですが、佐々木康はスターたちの顔をたて、ファンの期待を裏切らない見事な?演出を見せています。スターらしいスターがいなくなった現在では成り立たない作品ですね。
ところで、当時は警察が協力的だった?のか、この作品では実銃が使われています。橋蔵が使っているのがアメリカのギャング映画でお馴染みのS&Wの38MPだし、鶴田はFN380、千代之介はS&Wのラッシアンね。ちゃんと弾丸込めシーンもあってゴキゲンなので〜す。