カルトな楽しみ

nostalji2013-05-17

注文していたマカロニ西部劇のDVD『荒野の墓標』と『砂塵に血を吐け』が届き、さっそく『荒野の墓標』を観る。
『荒野の墓標』(1967年/監督:ジャンニ・プッチーニ)は、マカロニ版ロミオとジュリエットです。メキシコ人カンポス一族とアメリカ人マウンター一族が、土地争いがもとで対立しているのね。カリフォルニアが合衆国に併合された直後という説明がされていますが、そんな考証はあまり意味がありません。だって、マカロニだもの。人種による対立というのは、オリジナルより『ウエストサイド物語』がもとになっているんじゃないかな。
カンポス一族の者がマウンター一族に殺され、両家の間で決闘が行われることになりますが、カンポス家の卑怯なやり方で、マウンター家のジョニー(ピーター・ローレンス)が捕まります。しかし、ジョニーはカンポス家に捕まっていた老ガンマンのレフティアンドレ・メフート)との決闘を利用してレフティと一緒に脱出。拍車で縄を切るのが面白い趣向でした。
ジョニーはレフティからガンマンの心得(六ヶ条あるのだよ)を習い、拳銃の腕前が上達します。そして、仕返しのためにカンポス家に馬車を襲いますが、カンポス家の娘ジュリエッタ(クリスティーナ・カルボ)に出会い、互いに心惹かれあうのね。ジュリエッタは父と兄がかってに決めた結婚相手の保安官(ピエロ・ルッリ)が嫌いで、婚約披露パーティの夜に忍び込んできたジョニーと再会し、愛しあうようになります。しかし、ジョニーに想いをよせていた酒場女のロザリンド(マリア・クアドラ)が嫉妬心からジュリエッタの兄ロドリゴ(ピーター・マーテル)に二人の恋を告げ口し、ロドリゴはジョニーを殺そうとして逆にジョニーに殺されます。ジョニーとジュリエッタは一緒に逃げようとしますが、行き違いになり、それぞれの家に捕まり、宿敵の両家は再び血で血を洗う戦いに……
劇場でリアルタイムで観て以来の再見で、内容は殆ど忘れていました。ラストの死神のシーンはテレビ放映時に初披露され、劇場版にはなかったとのこと。印象深いシーンなのに憶えていなかったのは、観ていなかったんだ。今回、日本語吹替バージョンで観たのですが、『拳銃のバラード』の音楽が使われていたのにビックリ。吹替で原音を消した時にオリジナルサントラを使わずに、音楽まで差し替えたんですね。オリジナルと聴き比べるのも一興で〜す。